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■男の老老介護
世界に類を見ないスピードで高齢化が進む日本。介護の必要な高齢者は増える一方で、1997年総務庁調査では、介護のために退職した人は年間で10万1000人。そして、その約1割が男性でした。高齢者問題と切り離せない、これからの介護。「妻の介護を理由」に今春、高槻市長を辞任された江村利雄さんに、男の介護について、3回にわけて語っていただきます。

老老介護
厚生省の1995年国民生活基礎調査によると、介護する人の年齢は60〜69歳が28.3%、70歳以上が24.2%と、全体の半数以上が60歳以上の高齢者となった。このように介護の必要な高齢者を、高齢者が介護することを「老老介護」という。


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「妻の介護を理由」に市長を辞任というので、えらい騒がれまして。でも、自分では特別なことをしているつもりやない。僕は今年74歳で、妻は75歳。80歳までとしても、夫婦一緒に過ごせる時間はもう5年しかありません。「市長の代わりはいても、妻にとって夫は僕だけ」との思いで辞任を決断しました。

 市長の仕事と介護は両立しにくい。どんな公務がいつ入ってくるかわかりませんから。妻からもよく言われたんです。「お父さん、きょうは早く帰るいうてたのに・・」って。若い時分から好き放題して、妻には迷惑をかけてきましたから、罪ほろぼしの気持ちもあります。

 妻は5年ほど前から、骨粗しょう症で左足が不自由なうえ、3年前からは軽いパーキンソン病も併発。昨夏から寝たきりになって、痴呆症も出ています。でもえらいもんで、僕が家にいるようになって安心するのか、会話が増えて、痴呆も少し良くなった感じです。笑いも、よう出るようになって明るくなりました。言葉の介護は、ほんまに大切ですな。

 最近は週に1回デイサービスに通っていますし、現職中と同じように、近くに住む娘や同居する長男の嫁、ホームヘルパーさんとローテーションを組んで役割分担しています。朝は7時頃起きまして、まずおむつを取り替える。もうこの年齢ですから、抵抗なんてありません。でも、軟便のときは1人でできませんので、嫁を呼んで2人がかりです。


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