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「福祉・医療」
ハンセン病


3 ハンセン病にかかった人の隔離は必要だったのですか

 

日本ではハンセン病患者は強制的に療養所に隔離されていたと聞きましたが、ハンセン病にかかった人の隔離は必要だったのですか

日本ではハンセン病患者は強制的に療養所に隔離されていたと聞きましたが、ハンセン病にかかった人の隔離は必要だったのですか。

 

「2 日本ではハンセン病にかかった人をなぜ隔離したのですか」で述べたように、日本では当初欧米人の目にふれないようにと、1907年、法律第11号「癩予防ニ関スル件」を制定して隔離をはじめました。その後、明治維新以降の富国強兵策と結びついてハンセン病にかかると手足や顔に障がいを有して兵力の低下につながるとして、また国は社会を守るための公衆衛生政策とむすびつけて、社会防衛上の隔離政策を推進しました。

 しかし当初は、政府のハンセン病対策についての議論の中で感染力の程度や「慢性の伝染病者は急性の伝染病者と区別をしなければならぬ」などの意見が出たり、専門家のなかでも感染から発病にいたるのはきわめて低いとある程度は知られていました。今までにハンセン病が蔓延したとの記録もありません。

 2001年の「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」熊本地方裁判所の判決でも「もともと、ハンセン病は、感染し発病に至るおそれが極めて低い病気であって」「明治33年から昭和25年までの50年間に半減あるいはそれ以下に減少し」「社会経済状態が好転していくことで、自然に減少していくと見込まれていたこと」、さらに治療薬の普及などで「隔離の必要性が失われたものと言わざるを得ない」と述べています。

 ハンセン病の感染や発症には、個体が持つ免疫力の遺伝的素因や、栄養状態、衛生環境などの社会経済状態が大きく影響し、感染しても発症することがごくまれであること、自然に治る場合もあること、発症しても命にかかわることがほとんどないことから、隔離を必要としない病気であったと考えられます。

*執筆協力:社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会 ハンセン病回復者支援センター