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「福祉・医療」
ハンセン病


11 「らい」からハンセン病に病名が変更された理由

最後に「らい」から「ハンセン病」に病名が変更された理由について教えてください。

「らい」という病名には、宗教上の概念から忌まわしいという印象や恐ろしい伝染病といったあやまった差別的なイメージが染み付き、当事者を傷つけることから、社会の意識を変えようとしました。1948年、ハワイの准州会議では、「レプロシー」にかえて「ハンセン病」と呼ぶことを決定しています。また同年、キューバのハバナで開かれた第5回国際らい会議でも欧米で「不治の病」というイメージをもつ「レプラ」「レプロシー」という呼称を改めようという意見が出されています。

ハンセン病療養所入所者の組織「全国国立療養所ハンゼン氏病患者協議会」(現・「全国ハンセン病療養所入所者協議会」)でも、1952年、政府に対して病名を改めるように要請しました。しかし、日本の政府は変更せずそのまま使用し続けました。

 1996年、「らい予防法」が廃止されて公的に「ハンセン病」と呼称するようになりました。同年、「日本らい学会」もようやく「ハンセン病学会」と改称しました。このように、呼称の変更は単なる言葉の言いかえでなく、差別的な意識を変えようというものでした。

 2010年、国連総会において全会一致で可決された「ハンセン病患者・回復者及びその家族に対する差別を撤廃するための原則及びガイドライン」の第9項では、「各国政府は、らい者(leper)」という語またはあらゆる言語もしくは方言においてこれに相当する語句の侮辱的な使用を含め、政府刊行物における差別的な言葉を取りやめるべきであり、可能な限り、そのような用語を含む既存の刊行物を速やかに修正すべきである」としています。

*執筆協力:社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会 ハンセン病回復者支援センター