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6 外国人登録法廃止によって、どのように変わるのでしょうか。

外国人登録法が廃止されたと聞きましたが、具体的に何が変わるのでしょうか?

2009年7月に「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国に関する特例法の一部を改正する等の法律」(以下「改正入国管理法」)が公布され、2012年7月に施行されました。

この改正入国管理法施行に伴って外国人登録法が廃止され、外国人登録証の交付制度も廃止されることになりますが、特別永住者には代わりに特別永住者証明書が交付されます。

特別永住者証明書には常時携帯義務はありませんが、入管職員など権限を持つものに提示を求められた場合は提示する必要があります。さらに、敢えて提示を拒否する意思を見せたときは罪に問われることがあります。

特別永住者証明書への切り替え期間は、旧外国人登録法に基づく次回確認申請期間の始期である誕生日までとなっています。ただし、施行期日から3年以内に次回確認申請期間が来る人は、施行期日から3年以内に切り替えれば大丈夫です。また、特別永住者証明書が発行されるまでの間は、従来の外国人登録証を特別永住者証明書とみなすことになりますので、切り替えまでの間は外国人登録証明書も常時携帯義務はなくなります。

特別永住者証明書の記載事項は外国人登録証に比べて記載事項が削減されているので、変更の手続きの機会も少なくなっています。また、再入国許可制度も緩和されるので、出国の日から2年以内に再入国する際の再入国許可は、、原則不要になります。ただし、この「みなし再入国」制度に関する周知と理解が不十分ななか、これを利用して出国した在日コリアンが、限度となる2年を超えて再入国しようとして「特別永住者」資格を取り消さされるという事件もおこっています。また、本来は特別永住者証明書の提示を求める権限がない筈の民間企業等が、雇用や契約の場面で、提示を求めたり、複写を要求したりする事件もおこっています。

*執筆協力:NPO法人 多民族共生人権教育センター