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「同性愛」


3.同性愛と差別について

同性愛の人はいろいろな差別を受けてきたと聞くのですが、どのような差別があったのですか?また、現在でも差別があるのですか?

男性同士で性行為を行う人は、例えば、キリスト教圏では差別されてきました。イスラム教圏でも同性愛は罪とされており、2000年には男性同性愛者であるイラン人のジェイダさんが、日本滞在中に、祖国での迫害を恐れて難民申請を行うということも起こっています。一方、近世日本では、武士階級を中心に男性同士の性行為を含む「男色」「衆道」はごく普通に受け入れられていました。時代や文化によって、同性同士の性愛の是非はさまざまに受け取られてきたのです。
近代に入って、生殖に結びつかない性欲は、優生思想と結びついて「変態性欲」とみなされるようになりました。近代最大の同性愛者の受難は、ドイツのナチス政権による同性愛者らの大量虐殺です。ナチス政権によって、数万人以上の男性同性愛者や異性装者などが強制収容所に送られ、迫害、虐殺されました。彼らは胸にピンクの逆三角(ピンクトライアングル)を付けられて識別されました。
1969年に、ニューヨークのグリニッチビレッジで、ゲイバーに対する警察官からの度重なる嫌がらせに対して、ゲイバー「ストーンウォール・イン」を起点としてゲイらが暴動を起こしました。(ストーンウォール暴動)これをきっかけに、世界各地で、同性愛者であることの誇りを示すためにパレードなどが行われるようになりました。
運動の過程で、ピンクトライアングルの逆三角を順三角にしたものが同性愛者の解放運動のシンボルとされるようになりました。また、6色のレインボウが様々なセクシュアリティの連帯のシンボルとされるようになりました。
日本では1991年に、「動くゲイとレズビアンの会(アカー)」が、同性愛者であることを理由に、東京都の社会教育施設「府中青年の家」の利用を拒否されたことに対して、その決定を取り消すように求め、東京都を提訴し、1997年には第2審判決でアカー側が勝訴し、判決が確定しました。
このような当事者や支援者の努力によって、同性愛の問題を人権問題と位置付ける動きが進んでいます。
しかし現在に至ってもなお、テレビやインターネットホームページでは、同性愛者を笑いのネタにしたものは多くあります。また、男性同性愛者が集まる公園など(ハッテン場)での、同性愛者を標的とした暴力、恐喝なども起こっています。
なお、男性同性愛者のことを「ホモ」、女性同性愛者のことを「レズ」と呼ぶことがありますが、それらは当事者の仲間内の会話では使うこともありますが、差別的な呼称です。

【参考文献】『同性愛と異性愛』風間孝・河口和也著岩波新書