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「性同一性障害」


15.身近にいる性同一性障害の人とどう接するか
Q1:私の高校で隣のクラスの男子が2学期から女子になりました。性同一性障害だったらしく、元々中性的というかちょっと女の子っぽい男の子でしたので、見た目とかけっこう女子っぽくなってます。そのクラスの前から仲良かった女子たちともいっそう親しくしているようです。でも男子だったときのことを知っているので、どうしても周りの私たちは意識しちゃいます。私も選択科目のときには同じクラスになるので、そういうときにはどんなふうに接したらいいでしょうか?

Q2:小さな会社で事務員をしています。同じ雑居ビルの別のオフィスのOLの方と時々、給湯室や女性用トイレで顔を合わせるのですが、その方がどうやら本来は男性のようなのです。その方の会社の男性社員どうしの会話を小耳に挟んだところによると、なんでも性同一性障害で昔からつらい思いをして、一昨年から女性として生活しているそうです。今後も顔を合わせる機会はあるので、そのときどんな態度が自然なのでしょうか?

セクシュアルマイノリティは意外と身近にたくさんいます。決してめったに遭遇することのない珍しく特別な存在ではないし、もっぱらテレビに出てくるだけの遠い世界の話ではないのです。「いや、でも今までそんな人は周りにはいなかった」――という人も多いかもしれませんが、それはそんなふうに存在を想定されてないがゆえにカミングアウトできなかったせいではないでしょうか。
性同一性障害のほか同性愛なども含めれば、学校ならクラスに1人は何らかのセクシュアルマイノリティがいても不思議ではありません。日頃からそのつもりで
 1:性別は「男」と「女」である
 2:「男」は男らしく、「女」は女らしくするものである
 3:恋愛は男女間でするものである(男女は恋愛するものである)
…………ではない、ということを前提に、各自が言動に注意したいところです。
通常、会話の流れでしばしば出てきがちな、「男子は[A]で、女子は[B]に……」「好きな異性のタイプは?」などの言葉を、セクシュアルマイノリティが密かに負担に感じていることは、ぜひとも心に留めておきたいですね。
とはいえ、上記の事例のように実際に自分の身辺でセクシュアルマイノリティの存在が明らかになると、それまで経験しなかった事態であり、対応に戸惑ってしまうのも無理はないのかもしれません。
しかし、難しく考える必要はありません。あまり意識しすぎず、ありのままのその人を見て、自然に接することがなによりなのです。事実、同様のケースで「あまり気を遣われすぎるとかえってストレス。さらっと何事もないように応対されるのがラク」と語る当事者もいます。
 とりあえず、選択科目の授業や給湯室で顔を合わせるような間柄であれば、目が合ったら微笑や会釈といったあたりからはじめればよいのではないでしょうか。あるいは、もう少し近しい親密な相手からのカミングアウトを受けたときでも、基本的な考え方は同様でよいと思われます。
もちろん、マジョリティ側からは見えない物事もあるので、こういうときにはどうして欲しいかとか、あるいは相手の半生にまつわる各種の素朴な疑問なども、ある程度の関係性ができた後なら、多少は思い切った質問を気軽に尋ねてみることも、あってよいかもしれません。ただし、興味本位で根掘り葉掘りに聞きただすような態度なら失礼にあたる可能性もあるので、あくまでも相手との関係をよく見定めたうえで、謙虚な心づもりが必要ですが。
いずれにせよ、どのような特殊性を持った人であっても、それを「変」とか「異常」などととらえてしまうのは、誤った思い込みに基づく社会的な解釈です。あの人は特別――なのではなく、そういう人も普通、こういう人も普通、みんなが普通! という考え方で、より多くの人の人権を大切にしあえる社会をつくっていけたらいいですね。