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統合失調症(精神分裂病)とはどんな病気?

息子が精神分裂病(統合失調症)と医師から診断を受けましたが、どんな病気でしょうか。

歴史をさかのぼると、今から約100年前にドイツの精神科医クレペリンが「早発性痴呆」と呼んだ病態が、精神分裂病(統合失調症)の原型のようなものだとされています。
しかしその後、この病気は必ずしも「早発」ではなく、また「痴呆」状態になるわけでもないということから、1911年にスイスの精神科医ブロイラーがこれに代わる病名として「Schizophrenie」という用語を用い、これが現在も世界的に使用されています。ブロイラーは、思考の統合が困難になり、その結果、精神の機能が障害されて幻聴や妄想が現れるという病気の特徴を重視して精神分裂病(統合失調症)の概念をまとめていきました。1913年には呉秀三という精神科医が「Schizophrenie」を医学雑誌に紹介し、日本の精神医学の中にこの病気の概念が入ってきました。
精神分裂病(統合失調症)は、10代の後半から30代の半ばで発病することが多く、一般に人口の約0.6?0.8%ほど存在すると言われており、決して稀な病気ではありません。また、精神分裂病(統合失調症)の症状は実にさまざまで個人差も大きく、精神分裂病(統合失調症)をひとつの病気と考えるのは無理があるのではという議論もあるくらいです。