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「雇用・労働問題」


5 うつ病から回復しましたが、会社は、職場復帰を認めません。

Aさんはうつ病で、会社を11カ月間休業しています。やっと病状も回復し、主治医から軽度の労働からであれば職場復帰が可能であるとの診断を受けました。早速、会社に職場復帰を申し出ましたが、会社は完治するまで職場復帰を認めないと言います。就業規則では休職期間は1年間と定められており、このままだと休職期間を過ぎてしまい退職しなければいけません。Aさんは、「会社は、自分を辞めさせようとしているのかもしれない。」と心配しています。

この事例では、会社はAさんの職場復帰の受け入れをかなり厳しい見方をしており、「主治医から100%完治した診断が必要。」という話がありました。心の病気は治るものですが、100%治ってからでないと職場復帰を認めないとなると、復帰はたいへん難しいものとなります。

 会社における私傷病の休職制度は、使用者が解雇することを猶予することで労働者を失業から守ることが目的です。Aさんが、うつ病からの職場復帰で仕事の軽減を申し出たことに対して、会社がこれを認めず、退職に追い込むことは許されません。労働者が私傷病によって業務の一部が遂行できない場合、使用者は他の業務を提供するなどの一定の配慮を要するという裁判例もあります。

 会社や職場の同僚は、Aさんが仕事をずっと休んでいたことに対しての業務面での配慮や「Aさんにいつもと違う様子が見られたら声を掛けよう。」という精神面での温かい支えが必要です。

 近年、心の健康管理により休業する労働者が増加していることから、厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の周知徹底を図るとともに、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰について、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を作成し、これを参考に使用者が職場復帰支援のための体制を整備することなどを求めています。

*「労働者の心の健康の保持増進のための指針について」(2006年3月31日、厚生労働省ホームページ)

*「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(厚生労働省「メンタルヘルス対策(心の健康確保対策)に関する施策の概要」)

執筆協力団体:連合大阪なんでも相談センター「労働相談Q&A」