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「雇用・労働問題」


1 入社手続きで、会社から戸籍謄本の提出を求められました。提出しなければいけないのでしょうか。

採用試験を受け正式に採用が決まりました。入社手続きに必要書類として戸籍謄本の提出を会社から求められました。私としては、戸籍謄本には個人情報が記載されており、会社に知られたくない情報もあるので、これは提出できないと拒否しましたが、会社から「手続に必要であり、他に採用者した人にも提出してもらっている。」と言われました。

 会社が社員を雇い入れる際に各種の書類の提出を求めることがあります。それには理由があります。

 労働基準法第107条には「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。」と定められています。

 また、会社は、所得税の徴収や、社会保険の加入(適用事業所のみ)も、企業側の責任において行うこととされています。そのために、社員の氏名、住所などの基本的な情報を確認する書類が必要となるのです。

 しかし、企業がこうした情報を必要とする一方で、社員のプライバシーを保護する必要もありますから、会社側は、提出書類を本来の目的以外に使わないことはもちろん、目的に応じて必要最小限のものですませなければなりません。

 企業は、これまでは住民票の提出を求めることが多かったのですが、現在では、住民票記載事項証明書で必要な事項だけ確認するように行政指導が行なわれています。

 住民票記載事項証明書とは、証明書を提出する先(会社・学校・金融機関など)の指定の書式で、その記載内容が役所が保管している住民票(住民基本台帳)の情報と相違ない旨の証明が付いている証明書です。これは、必要以上に社員のプライバシーに企業が立ち入ることのないようにするためのものです。

 この事例では、会社に「戸籍謄本」を提出する必要はありませんが、会社が正当な必要性のために最小限度の書類の提出を社員に求めた場合は、採用内定者がこれを拒むと、採用取り消しのトラブルとなる場合もありますのでご注意ください。

執筆協力団体:連合大阪なんでも相談センター「労働相談Q&A」