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ふらっとへの手紙

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2010/10/07
ふらっとへの手紙from吹田 vol.4


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途上国の雑貨や農産物を、適正な価格で継続的に輸入するフェアトレードに取り組んできた私が、「オイコクレジット・ジャパン」のことを知ったのは、07年でした。

フェアトレードが扱うのはモノだから、支援できる人たちが限られている。しかし、お金を媒介にすると、さらに大きな国際貢献ができるのではないか。そう思って、事務局長を引き受けることにしたんです。

オイコクレジットとは、「社会的責任投資」のための国際組織です。

ふつう、お金を銀行に預けるじゃないですか。そのお金がどのように活用されるか、預金者は知らされないでしょう? 爆弾など兵器をつくる会社や環境を破壊 する事業を行っている会社に融資されることにもなりかねません。ということは、預金者は、知らず知らずのうちにそういった有害な事業に加担してしまう可能 性があるのです。不愉快ですよね?

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対して、オイコクレジットの融資先は、マイクロファイナンス機関、生産者協同組合、フェアトレード団体などです。銀行のように収益性だけを重視する のではなく、社会性、公共性、環境性、持続性などを重視し、担保や実績がないなどの理由で銀行の融資を受けられない途上国の有益な組織に、“顔が見える” 形で融資されるんです。それらの組織が必要としているのは、対等なパートナーシップとしての投資。短期的には資金の回収が難しそうでも、長い目で見れば大 丈夫だという組織をも、資本参加の形で応援するわけです。

もとは、1974年にオランダで、キリスト教協議会の余剰資金を社会的に有意義に活用するために発足したのが、オイコクレジットの始まり。オイコとはギリ シャ語で「家」の意味で、世界の人々が一つの家族のように、言語の違いや距離を超えてつながっていこうという一体感を表し、ラテン語がルーツのクレジット とは「相手の可能性を信頼する」という意味だそうです。預けたお金が、兵器産業や環境破壊産業のために使われる心配がない……とお分かりいただけますね。

オイコクレジットには、世界18カ国にある支援組織(サポート・アソシエーション)や教会などが、組合の出資者として参加。ラテンアメリカ、アフリカ、アジア、東欧などに「地域事務所」があり、そこで支援対象事業の開拓や審査が行われています。

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日本にオイコクレジットが、クリスチャン団体の京都YWCAによって持ち込まれたのは1996年。日本福祉大学教授の岡本眞理子さんが代表を務め、 国際協力や国際金融などの研究者たちが支えてきました。しかし、システムづくりや広報活動に十分な時間をあてることが出来ないために、広がりに欠けてい た。そこで、フェアトレード・サマサマに声がかかり、私がお手伝いすることになったんです。

06年に、バングラデシュのグラミン銀行と創設者のムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したことが契機となり、世界的にマイクロファイナンスについての認知度が飛躍的に上がりました。が、日本ではまだまだ。

「お金の預け方を変えませんか?」をキャッチフレーズに、「一口1万円、出資期間2年以上(2年間で償還可能)」の仕組みで、広く融資者を募ることにしたのは、08年6月にインドで開かれたオイコクレジット年次総会に参加してきてからです。

17カ国の先進国のサポーターと、20カ国の地域マネージャーらが集まった年次総会で、さすが世界的な組織だと実感。オイコクレジットのプロジェクト融資 の4分の3がマイクロファイナンス機関に流通していて、これによって1700万以上もの個人あるいは零細なグループに融資サービスを提供していることを目 の当たりにしてきたんですね。長く草の根的に国際支援をやってきた身として、出合ってしまったからには、日本からも支援しなければならないとミッションを 感じたんです。

私がフェアトレード・サマサマの活動と共に、オイコクレジットの活動にも全力を注ぐことになったのは、それからです。日本でまだ誰もやっていない、新しいことに取り組むことも、大きな魅力だと思いました。(談)

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