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2012/03/30
お年寄りに「生きててよかった」と思える暮らしを ゴジカラ村


雑木林には許しや癒しがある

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 現在、わが国では、団塊世代の高齢化を見据え、介護が必要になっても住み続けられる地域づくりが当面の課題となっている。ただ、12年前に「介護の社会化」をうたい文句にスタートした介護保険も、時代の変化と共に「24時間対応の訪問介護サービス」を導入するなど、流れは「在宅介護」へと移行しつつある。
 現実には核家族化がますます進み、団塊世代でも独居の高齢者や老々介護の家庭が増えていくはずだ。そうした中で、2013年度には新しい高齢者住宅制度もスタートするようだが、今後の高齢者の暮らしはどうあるべきかといった明確なビジョンはまったく見えてこない。

 ゴジカラ村を訪れた見学者の多くは、「自分も老後はこんな場所で過ごしたい」「地域に同じような村を創りたい」と希望するらしい。田中さんは「混ざり合う暮らしはこの土地で培われた長久手ならではの原風景が基。こことまったく同じというより、それぞれの土地のそれぞれの風景、文化に合わせた暮らし方がきっとあるはず」と話す。実際、まったく違う地域で実現するには、用地の問題だけでも一朝一夕にはいかないだろう。しかし、「混ざり合って暮らす」という理念だけでも学びいれ、これまでの経営第一主義から少しずつでも方向修正していけば、何かが変わっていくのではないだろうか。

 ゴジカラ村では9年前、区画整理後の更地に1200人のボランティアの人たちの手で1万本の木々、それもさまざまな種類の苗木が植えられた。同じ木ばかりだと、雑木林は必ず絶えるからだ。大きい木もあり、小さい木もあり、雑草もあり......。未完成だから、許しや癒しがあるのだという。
 人も同じだ。いろいろな人間関係の中でこそ、喜びや笑いが生まれる。ただ介護が必要になったからと、世間から隔離するかのように、高齢者だけを「介護」という名目で、コンクリート施設に集めて管理するのはそれこそ不自然である。これまでの高齢者福祉のお粗末さを改めて感じさせられる訪問となった。

(2月8日 ゴジカラ村訪問 取材・構成/上村悦子)

ゴジカラ村
〒480-1148 愛知県長久手市根巌29-9
TEL0561-64-5737

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