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2001/07/30
フェミニズムは男性の幸せへの道しるべ



「男ですが、フェミニズムについて発言したい」という人がいます。長崎県島原市に住む塾講師、清水宏さん(60)。「フェミニズムは、男性の幸福の道程に重なる」というのがその主張。すでに亡くなった妻との暮らしの中でフェミニズムに出会ったという清水さんに、ご自身の体験とそれに基づく思いをお聞きしました。

フェミニズムは男性の幸せの道しるべ 清水宏さん

「仕事を続ける」という妻の言葉にギクリ

フェミニズムは女性の問題と考えている男性が多いと思うのですが、私はそうは思わない。フェミニズムこそ男性の幸福の道だと確信しています。私は結婚直前にフェミニズムに出会い、妻と生活を共にする中でそれと闘い、教えられたからです。
振り返れば、30年ほど前、婚約時代に妻が言った言葉がその最初でした。
「結婚への私の条件はひとつよ。ずっと仕事を持ち続けること」
それを耳にした時、私はギクリとしました。男女は平等で、女性が仕事を持つのはいいことだと理論は持っていたものの、正直なところ「しかしなぁ」と思った。パートくらいならいいが、出来れば妻には家にいて欲しいと漠然と考えていたからです。多くの男性の本音と同じではないでしょうか。
奥さん、家族との写真 その頃、私は東京都清掃局に務め、バキュームカーの作業員5年目でした。大学を卒業したのですが、社会や人間、自分を現場の仕事を通して知りたいといった欲求が強く、学歴は中卒として働いていました。自分ではその生活に満足していましたが、収入、将来性といった点では、結婚対象の男性としての魅力はあまりなかったかもしれません。しかし、彼女は私の生き方を支持してくれ、私も、コンピュータの基盤を作る仕事をしながら将来に向けていろんな習い事をしていた彼女の生き方を支持したいと思った。会費制の結婚式を上げ、結婚生活をスタートさせました。

自分と異なる世界を持つ妻


私は家事が苦手で、彼女は得意。「当面、お料理は私が全部やる」と言ってくれた彼女に甘える形で、結婚当初の私の家事の分担は2割程度だったでしょうか。日常生活の中では、好みの違いなど価値観の違いはいろいろとありましたが、自分たちの幸せが社会の幸せにつながることが重要だという考えでは一致していましたので、それを大切にして、ケンカしながらもがんばったつもりです。私は組合活動にも取り組み、後に身体的な事情で中学教師に転職したりしたわけですが、そんな生き方や人生観を妻は支持してくれた。それは、彼女が無職でなかったことによるところ大だと思うんです。彼女が私に自分の人生を委ねていたらそうはゆかなかったに違いない、と。
二男出産後、高校中退だった妻は通信高校に編入学しました。それには、彼女に収入があったために私が進学に反対出来なかった側面もあります。仕事、家事育児に、レポートやスクーリングが加わり、彼女は多忙を極めることになりますが、私は私で仕事上のスランプに陥る。私に子守させ、自分はいそいそとスクーリングに出掛ける彼女が憎いと思ったこともあります。

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