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2015/06/25
食品ロスを「生きる力」に活かす ふーどばんくOSAKA


提供する側、される側、それぞれにメリットが

――具体的に食品はどのような流れで福祉団体などに送られるのですか?

田原 提供側は、食品メーカーや流通業者、食品輸入業者、食品卸売業者・小売業者、一般家庭、個人などで、今は約50団体です。そこから寄付された食品を引き取り、児童養護施設や母子寮、障がい者支援施設、高齢者支援施設、女性シェルター、生活困窮者などに配送しています。現在、約80施設と契約しており、常時24施設に届けています。

 実際には、そうした契約団体に「きょうはどんな食品が入ります」と情報を事前に提供して、要望のあった所に届けるのを基本としています。毎回、提供していただく業者や大型量販店に直接ボランティアさんが各自の車で出向いて食品を引き取り、担当する福祉施設に配送してもらいます。

 実は、提供側もフードバンク活動に参加することで、廃棄コストの削減ばかりか、社会貢献活動につながるという利点があって、提供する側・される側双方にそれぞれのメリットがあるわけです。

――ふーどばんくOSAKAの立ち上げまでの経緯を聞かせてください。

田原 私どもの赤井理事長の言葉ですが、食べ物としてまったく問題のない余剰食品が無駄にされる一方で、その日の食事に苦労する人たちがいて、そこに手を差し伸べ、少しでも安心して食べられるものを届けられたらという想いからスタートしました。当初、「フードバンクとちぎ」の活動報告を聞いたのがきっかけで、大阪でも同じような支援ができないかとプロジェクトとして立ち上げられました。

松下さん

松下 2年前の設立当初は、商工会議所の会合などにふーどばんくOSAKAのパンフレットを入れたり、大阪府の農水関係者から紹介された食品関連企業にチラシを配ったりと大々的にやりました。配送先の福祉施設は、大阪府社会福祉協議会(社協)を通して、児童養護施設や母子生活支援施設にアプローチさせてもらいました。

 最初に入手したのが冷凍肉でして、社協を通じて11カ所に配送。その後は各施設が継続を希望されたため、個別に各施設と確認証を交わして配送先を徐々に増やしていった感じです。

――オープンから2年経った現状はいかがですか?

松下 提供していただける業者も当初の13団体から、今は約50団体に増えましたね。配送先も最初は社会福祉法人などを中心にしていましたが、児童養護施設や母子支援施設を出た児童を支援するNPO法人や、子どもの育成に関わっているNPO法人、DVセンターなどに口コミで広がって、小規模な所からの問い合わせも増えてきており、末端まで広がりつつあります。

 また、今年4月から生活困窮者自立支援法が施行になり、これまでの配送先の施設関係以外でも、生活保護を申請中で、支給が始まるまでの間の食に困窮している層なども出てきています。そこで、今年度進めているのが、各地域の社協が窓口になって生活困窮者をキャッチし、生活相談や生活貸し付け資金の申請の間の一つとの支援として、食の緊急支援だけをフードバンクが協力するというカタチです。

 さらに、「フードバンク関西」や、「セカンドハーベスト名古屋」が、すでに生活困窮者の自立支援のモデル事業をやっていまして、それらを参考に今後は大阪でも個人の生活困窮者の支援ができるような仕組みづくりをしていきたいと考えています。

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