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2001/04/06
セクシュアルマイノリティ G-FRONT関西 「ありのままの私」たちのネットワーク


女性問題から男女共生問題へ、という流れのなかで、「世の中には男と女しかいないのだから」といった言葉を何げなく口にすることはありませんか。ここで考えてみたいのは、「男と女しかいない」の部分。「じゃあ、私たちは?」と思う人たちが少なからずいるのです。ホモセクシュアルやレズビアン、あるいは性同一性障害の人たち。このシリーズでは、 そういった性的マイノリティの人たちの人権について考えていきたいと思います。


ゲイやバイセクシュアル、トランスジェンダーなどの人たちが主になり、ネットワークを広げたり社会の偏見をなくすためのアピール活動をしたりしているグループがあります。「ゲイ・フロント関西」。このグループを紹介します。

ゲイ・フロント関西

読書会の様子
ありのままの私たちのネットワーク

「自分と同じゲイの人たちと知り合いたくても、夜の盛り場しかないのが実情。昼間に交流できる場があればと思っている人も少なくないはずです。ゲイ・フロント関西は、そんな思いの者らが集まり、情報交換をしたり意見を交わすことができる場です」
こう語るのは、「ゲイ・フロント関西」のコアメンバーの一人、小川さん(30歳)。
このグループが発足したのは‘94年だった。「社会に対してゲイの存在をアピールし、差別や偏見を解消すること」「孤立しているゲイに情報を提供し、ゲイ相互のネットワーキングを行うこと」を目的に活動がスタート。新大阪近くのマンションの一室を拠点に、土曜・日曜に交流会や討論会、パーティーなどを開く一方で、活動記録やメンバーの体験などを綴ったニュースレターを発行したりしている。7年経った今、バイセクシュアルやレズビアン、トランスジェンダーヘテロなどの人たちも加わり、会員は約80人となった。


「普段、会社で男として仕事をしているが、私には“おねえ言葉”を使う方がしっくりくる部分がある。そんな部分をこのグループで遠慮することなく出せる」(30代、ゲイ男性)
「女でもなく、男でもないセクシュアリティを持った自分が、ありのままでいられる」(20代、トランスジェンダー戸籍上女性)
「他では話せない、女装して町を歩いた経験をみんなに聞いてもらえる」(30代、ゲイ男性)
例会への参加が癒しの場にもなっているとメンバーは口をそろえる。


イベントでの立て看板
京大、神戸大などの大学祭でイベントを行ってきた

雰囲気を伝えたいために「ゲイ男性」「トランスジェンダー戸籍上女性」と上述したが、実際はそういったカテゴリー分けは、あまり意味がないとメンバーは言う。ひと口にゲイといっても、自分を男性と認識している人もいれば、肉体的にも女性になりたいと思っている人もいる。男性でも女性でもない中間の性に位置するケースもある。恋愛対象が男性の場合も女性の場合もあるなどさまざまで、そのような認識が重複することも多い。レズビアン系の人も同じ、と。
いずれにせよ、数の論理からするとマイノリティだ。「自分たちは笑いものにされても仕方のない存在」と思わざるを得ず、多くは本来の姿を隠しながら暮らしてきた人たち。ゲイフロントは、そんな人たちが“同志”と出会い、自分らしいライフスタイルを得る手掛かりを見つけることができる場なのである。目下のところ、メンバーは20代から50代まで。学生、アルバイト社員、会社員、教員、公務員、研究者ら職業も多彩だ。

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