ふらっと 人権情報ネットワーク

特集



基本編:部落差別って、なんですか?

2007/09/28


 
 
【コラム】
身分はほんとに「解放」された?
明治政府が部落の人びとを「解放」した背景にはどのような事情があったのでしょうか?
当時の政府は、近代的な国家制度の確立を急いでいました。そのためには身分ごとに異なっていた諸制度の変革が必要とされ、これが「解放令」発布の直接のきっかけとなります。よって「解放令」は、差別を解消するというよりは、人びとを同一の統治システムに組み込むという性格の強いものだったのです。
またその一方、政府は華族や士族の身分を編成してゆきました。とくに近世の公家や大名、維新の功労者たちからなる華族には爵位が定められ、特権があたえられました。
このように、実は明治時代にも身分制度が完全に廃止されたわけではなかったのです。