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2010/12/01
明日はある...か?:増税を問う/1 描けぬ老後に不安


◇消費税25%で生涯自立、スウェーデンから来日 親と同居、教育費1000万円…に衝撃

余生は一人で生きていくというスウェーデン在住の実母。自分たちとの同居を当然と思っている日本人の夫の母。スウェーデン出身のハンナさん(42)=仮名=は、あまりに違う2人の母を思うたび、ため息が出る。

約20年前に来日。自営業の夫、3人の娘と東京都内で暮らす。夫の両親は地方に住んでいるが、元職人の義父は保険料を払ってこなかったため無年金 で夫ら3人の息子からの月15万円の仕送りが頼り。義母は「日本では子供が両親の老後の面倒を見るのよ」「老後のことがあるから息子を大事に育ててきた」 と暗に同居を迫ってくるが、ハンナさんはその気になれない。「同居したら両親の世話で仕事も生活も犠牲になる」

実母アーダさん(75)=同=が一人住むスウェーデンは年金、介護が手厚く、自立生活を営む高齢者が多い。アーダさんは「孫が遊びに来るのは楽し いが、帰る時も寂しくない。やりたいことがまだいっぱいあるから」と話す。介護が必要になっても子供の世話になる気はない。「高い税金を払っているから行 政が老後の面倒を見るのは当然。この国はその態勢も整っている」

例えば認知症患者の在宅介護ではスタッフが1日5~10回訪問し、食事、入浴、排便を手伝う。家族は簡単な身の回りの世話だけ。介護費用の自己負担は日本よりかなり少なく、家族へのしわ寄せもない。

25%の付加価値税(日本の消費税)など高い税金を国民が受け入れているからこその手厚いシステムだが、老後の安心社会が約束されているため、将来不安に自分で備える必要もない。

「子供の教育費で1000万、2000万円の貯金は必要よ」。日本で有料老人ホームを運営するスウェーデン出身のグスタフ・ストランデルさん (36)は8年前、長男の誕生直後、妻の言葉に腰を抜かした。子供の教育費はゼロ、老後の不安もないスウェーデンでは考えられない金額だ。日本生活10年 目。「日本で安心して老後を迎えるには、いくら貯金すればいいのか。いまだに分からない」

都内で年金暮らしの元大学教授、山内隆さん(74)=同=はスウェーデン、日本で教壇に立った。どちらでも月12万~13万円の年金を受け取れるが、「一日も早くスウェーデンに移りたい」

バリアフリーの公団住宅は家賃8万円。食費、光熱費を入れると貯蓄を取り崩さなければ生活できない。さらに昨年末、背骨を折り手足が思うように動 かなくなり、要介護2と認定された。掃除や洗濯、買い物の訪問介護を受けるが、「夜中でも電話1本で介護士が駆け付けてくれるスウェーデンとは安心感が違 う。日本にいる息子に負担も心配もかけずに済む」と話す。

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毎日新聞

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