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2011/06/22
憤怒が ほとばしる 浪速の和太鼓


ばちが皮を打った瞬間、野太い轟(とどろ)きが静寂を破った。若者たちが、猛烈な速さで和太鼓に腕を振り下ろすたび、空気が塊のようになって、腹の底を揺さぶった。

大阪市浪速区の太鼓集団「怒(いかり)」は、毎週木曜の夜、地元のリバティホール=同区浪速西=で約2時間にわたって練習する。ひとの背丈より大きな宮 太鼓から小型の締め太鼓まで。さまざまな種類の太鼓に向かい、学校や仕事を終えて駆けつけたメンバーが汗まみれになってばちを振る。

この地域は江戸時代から全国有数の皮革の集散地「浪速部落」として知られてきた。太鼓作りが産業となり、西日本各地に出荷されたが、地元で演奏される機会は少なかった。

24年前、地域の若者たちが声を上げた。「太鼓の町なのに打ち手がおらんのはあかん」。そうして結成されたのがこの集団だった。沖縄の伝統芸能などを参考に打ち方を学び、今では海外公演を果たすまでになった。

怒。その名には、皮革にかかわる仕事が差別視されてきたことへの怒りがこもる。リーダーの堤龍治さん(38)は「あからさまな差別を受けた経験は僕にはない。でも、太鼓を打つ以上、先人が感じてきた思いは受け継がなければ」と話す。強く張られた皮にばちを振り下ろす時、その憤怒(ふんぬ)があふれ出す。

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朝日新聞

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