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2012/09/14
【毎日新聞】胃ろうと尊厳死 よい人生のため考える


高齢になって口からものを食べる機能が落ちると、胃に穴を開けて管を通し人工的に栄養分や水分を送り込む処置をすることがある。「胃ろう」という医療行為で、現在約30万人が胃ろうを受けている。無理に口から食べさせようとして誤って食べ物が気管に入り肺炎を起こす例は少なくない。鼻から栄養を入れ る経鼻栄養、心臓近くの太い静脈から点滴で栄養を送る中心静脈栄養という方法もあるが、患者の体力を考えて胃ろうが選択されることが多いという。

一方、回復の見込みがない人にまで安易に延命処置されるケースが多い、人間の尊厳や生活の質がなおざり にされている、という批判も強い。胃ろうにした方が介護がしやすいため福祉施設や家族から歓迎されるという複雑な事情もある。胃ろうそのものを否定することはできないが、もしも回復の見込みがないことが間違いなければどうすべきだろうか、重い課題だ。

回復の見込みがなくても人工呼吸器や胃ろうを付けていれば生き続けられるということは、それを外す行為が罪に問われかねないリスクを医師側に課すこ とになる。先進各国で尊厳死や安楽死の法制化を求める動きがあり、日本でも超党派議連が尊厳死法案を国会に提出する準備を進めている。適切な医療を受けて も回復の可能性がなく、死期が間近と判断される状態を「終末期」と定義し、15歳以上の患者の意思が文書などで提示され、2人以上の医師が終末期と判断す ることなどを条件に、延命処置をしなくても法律上の責任を問われないとすることなどが検討されている。

ただ、どこまでが「適切な医療」でどこからが延命目的の処置なのか。死期が間近なことをどのような基準 で判断するのか。特に難病患者や重度障害者からは安易に「回復の見込みがない」と判断される恐れがあるとの批判が以前から繰り返されてきた。個別性の強いことを法律で画一的に定めなくても、厚生労働省や学会が示したガイドラインに従って現場では延命治療を行わずに末期患者をみとっているというのも事実だ。

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毎日新聞(社説)

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