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2012/10/10
【読売新聞】被災地の介護職不足 雇用誘導へ投資必要


東日本大震災の被災地で、生活環境が変わり介護を必要とする高齢者が増える一方、支える側の介護職員の不足が深刻化している。なかでも福島県では、原発事故後に県外避難のための離職が続出。介護の提供体制の強化が求められている。

「生活が激変して、認知症になる人や、徘徊(はいかい)がひどくなる高齢者が目立つ。でも、施設もデイサービスセンターも満杯。ホームヘルパーも足りない」

福島県南相馬市で、認知症高齢者のグループホーム所長を務める大井利巳さん(47)は悲鳴を上げる。

認知症の高齢者は環境の変化に弱く、仮設住宅などへ移り、症状を悪化させるケースが頻発している。震災後に生活環境が一変し、外出が減り心身の機能が衰えるなど、新たに介助が必要になる高齢者も多い。

こうした状況は、要介護認定を受けた高齢者数からも明らかだ。南相馬市や宮城県石巻市では、震災後の昨年5月からの1年間で要介護高齢者が1・4倍に増加。全国平均の1・05倍と比べ、急激な増え方だ。

その一方、岩手や宮城など被災3県では、介護施設が再開しても退職した職員が復帰しないなど、介護人材の不足が広がる。

介護関連職種の求人数を求職者数で割った有効求人倍率は、今年8月に福島県で1・83倍、岩手県で1・61倍、宮城県でも1・47倍に達した。3県とも震災前は1倍前後で、伸び方が全国で突出して大きい。

特に福島県では、東京電力福島第一原発の事故後に6万人が県外へ避難。子どもを連れて避難した人も多く、20~40歳代の女性が主力の介護現場は、人口流出に直撃され、需給ギャップが顕著になっている。

同原発から約25キロ・メートルの南相馬市にある特別養護老人ホーム「福寿園」も、その一つだ。昨秋に再開したが、市内の介護施設10か所のうち再開したのは6か所だけ。そこに希望者が殺到し、定員80人の同園でも、入所待ちが約400人に上っている。

同園の介護職員は47人だったが、震災後に19人が退職した。施設長の大内敏文さん(56)はこの1年、人材確保に奔走して何とか10人を採用。独自のヘルパー養成講座も開くが、「施設の増設を計画しても、職員採用のメドが立たない」と嘆く。

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読売新聞

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