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2012/10/23
【読売新聞】認知症 明日へ[地域で支える]身近な人々が症状理解


認知症になっても安心して暮らし続けるには、身近な人の理解と支えが必要だ。そんな地域づくりを目指し、高齢者や子供たちなどに認知症について学んでもらおうという動きが広がっている。

子供向け講座や訪問活動

「近所の人が、同じことを何回も繰り返し聞いてきたら、どうします?」

福井県若狭町の山あいにある民家の一室。近隣から集まった6人のお年寄りに、同町の地域包括支援センター職員で看護師の高島久美子さんが、そう尋ねた。

「そりゃ、今言うたやんかって言い返すわ」「何言うとるんやって思う。近寄らんようにするわ」――。口々に答えるお年寄りに、「認知症の人は話した内容は 忘れても、怒られたり避けられたりした嫌な感情は残るんです」と高島さん。「自分やったら、嫌ですよねぇ。今日は一緒に良い対応の仕方を考えましょう」と 話し、認知症の症状や病気の原因について、脳の模型やスライドを使いながら説明を始めた。

同町では2年前から、高齢者が認知症を学ぶ「地域教室」に取り組んでいる。地区ごとに、小人数のグループで正しい知識を学び、隣近所の人が認知症になっても暮らし続けていけるよう、自分に何ができるかを考えてもらうのが目的だ。

きっかけは5年ほど前。80歳代の女性に対し、「ゴミを川に捨てる」「注意するとすぐ怒る」など、隣近所から苦情が相次いだ。女性は認知症の疑いがあり、高島さんらが何度も自宅を訪ねて受診を促したが、本人は嫌がり、家族も認めようとしなかった。

人口1万6000人余りの同町は、65歳以上の割合が29・2%と高く、日中は高齢者ばかりという地区も多い。そこで高島さんは「女性がここで暮らし続け るには、身近な人たちに症状を理解してもらい、認知症の人を排除しない環境づくりが必要だ」と考え、地域教室を開始。症状を悪化させない接し方などを伝 え、女性は今も友人らに支えられて在宅で暮らしている。

現在は、1、2か月に1度のペースで開催している。自宅の一室を教室に提供した中西定雄さん(78)は「自分がなるかも知れんし、話はとても参考になる。友達にも教えてやろうと思う」と話す。

高島さんは、この取り組みで「地域の人の情報も共有でき、認知症の早期発見・支援にもつながっている」と成果を語る。

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読売新聞

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