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2013/01/28
【読売新聞】薬物依存から回復を支援...佐賀ダルク活動3年


 

【読売新聞】薬物依存から回復を支援…佐賀ダルク活動3年
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=71792

薬物依存者の民間リハビリ施設「ダルク」が佐賀県内で活動を始めて3年がたった。「依存症は病気である」という認識がまだ浅い中、司法や福祉などとの橋渡し役を担うダルクの現状と薬物問題の課題を探った。

佐賀市内に本部を構える佐賀ダルクのミーティングは午後6、7時から始まる。仕事を終え、開放感が生まれる夕刻は、薬物依存者が薬物の誘惑に最も駆られやすい。その時間帯に「薬をやめようと自分は何かしている」との肯定感を与えるのが狙いという。

ある日のテーマは「贈り物」。ミーティングでは、互いに本名ではなくニックネームで呼び合い、出た話は口外しないのが決まり。苦しかったこと、辛かったこと、また外では口にできない「薬を使いたい」など抑えきれない気持ちをも共有し合う。ただし、周りも話を聞くだけで、意見は挟まない。他人の話から、自分自身で何かを気付いてもらおうという配慮からだ。2009年10月に発足した佐賀ダルクでは、このような会合を週2回開いている。

ダルクの職員もかつて薬物に手を出した経験があるため、参加者にとって目の前の職員が、薬物に頼らなくても生きていけるという希望のモデルになっている。

佐賀ダルクの責任者・松尾周さん(43)は、「薬物依存症は完治が難しい慢性的な病気。ダルクの活動は万能ではないが、良くなっていくことを知ってほしい。回復プログラムを提供し続けることで希望を与えたい」と力を込める。

薬物依存症は再発を繰り返すため継続的な治療や支援が必要になるが、現在、県内で薬を抜く解毒だけでなく、回復プログラムを備えた医療機関は、肥前精神医療センター(吉野ヶ里町)など限られている。

覚醒剤など違法薬物の使用や所持が発覚した場合、刑罰を受ける。佐賀ダルクでは、当事者だけでなく家族の相談に乗ったり、受刑者と面談したりもしている。

県弁護士会刑事弁護委員会の団野克己委員長は、「刑罰を科すだけの現在の司法制度では、被告人の再犯防止は難しい」と指摘。刑務所や更生保護施設の出所後は自己責任と突き放すのではなく、ダルクのような支援が重要だと訴える。

また、社会復帰に向けて、依存者が自立した生活を送れるようにする支援も急務。ダルクでは薬物依存者にあえて遠方での回復プログラムに参加させ、家族と距離を置くようにしている。人のために薬物をやめるのではなく、自分が苦しいから克服するという意識を持ってほしいからだ。佐賀ダルクでも、遠方からの依存者を受け入れるため、4月に寮を開設する準備を進めている。

龍谷大法科大学院の石塚伸一教授(刑事政策)は、「薬物問題は、司法・福祉・医療などが複合的に絡むため、一緒にサポートすることが必要。ダルクがそれぞれとつながることで、ネットワークの拠点となり地域の福祉水準をあげる」と、地域に根ざす活動に期待を寄せる。

問い合わせは佐賀ダルク(0952・28・0121)へ。

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読売新聞

 

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