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2013/03/14
【神戸新聞】連載・特集:職場の悲鳴聞こえますか(1)公務災害


 

【神戸新聞】連載・特集:職場の悲鳴聞こえますか(1)公務災害
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/rensai/03/201303/0005779850.shtml
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http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/rensai/03/P20130301MS00169.shtml

「うつ自殺」認定少なく

職場の過労死、過労自殺が後を絶たない。不況やリストラを背景に追い詰められる人がいる。過重にのしかかる仕事につぶされる人がいる。残された遺族は追い詰められ、家族が壊れていく。働く現場の悲鳴に耳を澄ましたい。(中部 剛)

「お父さんはどんな人やった?」「なんで死んだの?」。小学5年生の長男が尋ねてくる。

そんなとき、美世さん(49)=仮名=は「忙しいから、また今度ね」と言ってはぐらかす。

本当はちゃんと説明してあげたい。「お父さんは、いっぱい仕事をして心の病気になっちゃった。でも弱い人間じゃなかったのよ」と。

夫は豊岡市役所職員。2002年5月、39歳で自ら命を絶った。当時、長男はまだ4カ月だった。遺書は妻と長男への謝罪で始まり、次のように記されていた。

「4月から自分なりに頑張ってきましたが、もうどうにもなりません お父さん、お母さん どうもすみません 市役所の皆さま、課の皆さま 本当にどうも申し訳ありません」

夫はこの年の4月1日付で市役所社会福祉課に異動となり、地域福祉計画の策定を担当した。前例のない新しい試みで、どんなものを作っていいのか分からない。自宅に資料を持ち帰り、試行錯誤を重ねた。そして妻に「雲をつかむような仕事だ」と漏らした。

「長時間労働と過重な仕事が原因でうつを発症、自殺に追い込まれた」。美世さんは、地方公務員災害補償基金兵庫県支部に公務災害の認定を求めた。公務災害は、民間でいう労働災害(労災)にあたり、仕事が原因で亡くなった地方公務員の遺族の生活を支える。

夫の時間外労働を正確に示す記録がなかったため、パソコンの使用履歴などから、自殺した月の時間外労働を87時間、その前月分を115時間と算出した。ところが、災害補償基金は「必要以上に丁寧に仕事をし、多大な時間を費やした」「本人の性格によって疾病を発症した」などとして、請求を退けた。

公務災害は民間の労災に比べて、認定されにくいと言われる。地方公務員災害補償基金本部によると、2011年度、うつなどで公務災害と認定されたのは12件だった。過去10年をさかのぼると、毎年3~14件で推移している。

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