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2013/04/18
【東京新聞】7月10日弁論 婚外子の相続規定


 

【東京新聞】7月10日弁論 婚外子の相続規定
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013040502000109.html

結婚していない男女間の子ども(婚外子)の遺産相続分を、結婚している夫婦の子ども(嫡出子)の半分とする民法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反するかどうかが争われている二件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は、申立人らの意見を聞く弁論を七月十日に開くと決めた。

今回の決定では、この規定を合憲とした一九九五年大法廷決定を見直し、違憲と判断する可能性が高い。

◆母に「弟」と呼ばれ…偏見に苦しんだ半生 愛知・68歳男性

婚外子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定が憲法違反かをめぐる訴訟は全国で相次いでいる。愛知県一宮市の神田忠宣さん(68)は婚外子ゆえの偏見に苦しみ「この規定こそ差別の根源」と訴える。最高裁が違憲判決を出すことを心から待ち望んでいる。 (安福晋一郎)

「亡くなった母は私のことを『弟です』と周囲に説明していた。存在自体を親に否定された気持ちでした」。神田さんは長年、わが子の出自を隠そうとする母親の姿に、苦い思いをしてきた。

資産家の家庭に育った母親は太平洋戦争中の一九四三年、軍人の父と名古屋市で挙式したが、婚姻届を出す前に両家で財産問題が起こり、半年後に離縁。既に母は神田さんを身ごもっていた。

母親が「未婚」と見えるよう、母方の家族から神田さんだけが戸籍を分けられ、主に母方の祖父母に育てられた。母は別の男性と結婚。その後に生まれた弟二人は神田さんを兄と知らず、「叔父さん」と思っていた。

就職や結婚でも苦難が続いた。大手自動車会社の研究所に事実上内定したのに、戸籍抄本を提出すると「もう少し検討したい」と対応が急変。内定通知が来ることはなかった。今の妻と結婚する時も「実父が分からない人と結婚させられない」と妻の父親に突っぱねられた。

父親の本籍地から転出先をたどり、二年をかけ、浜松市に家庭を築いていた父を捜し出した。認知を渋る父に「裁判をしてでも認めてもらう」と迫り、二十九歳でようやく認知された。

民法の規定は明治時代に設けられた。法律婚を優遇し、同時に婚外子の相続権も守る趣旨で引き継がれてきたが、神田さんには差別を助長する制度に映る。「何の責任もなく生まれた子が出自で差別され、苦労するのはおかしい」

父親は二〇〇九年に死亡。昨年二月、嫡出子と同じ遺産相続を求め、遺族を相手に静岡地裁浜松支部に提訴した。十一月の判決は、民法規定自体は違憲としなかったが、神田さんの出生時に父母に他の結婚歴はなく、守るべき嫡出子もいなかったため、規定の適用はふさわしくないと判断。ただし、遺族側が請求額の支払いに応じていたため、神田さんの請求は棄却した。

神田さんは高裁や最高裁まで争うことも考えたが、「相手の家族も私の存在を隠していた父親や、制度に振り回された被害者」と悩み、断念した。

神田さんは、最高裁の動きに「司法が不平等を無視できなくなった」と感じる。「社会に内在する差別意識にノーを突きつける出発点になる」。出自ではなく個人の努力、能力が認められる社会の実現を望んでいる。

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東京新聞

 

 

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