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2013/04/18
【北海道新聞】主権回復の日 沖縄を思い式典中止を


 

【北海道新聞】主権回復の日 沖縄を思い式典中止を
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/457710.html

沖縄県民が「屈辱の日」として記憶する日に、政府主催で記念行事を行うのは望ましくない。

28日の「主権回復の日」式典のことだ。

1952年の同日発効したサンフランシスコ講和条約で、敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)に占領されていた日本が再び独立した。自民党保守派の一部が政府式典開催を求め、安倍晋三首相が応じた。

だが、同条約で沖縄や奄美、小笠原が日本から切り離され、米軍統治下に置かれた。72年の復帰後もなお米軍基地の負担に苦しむ沖縄を思えば、主権を回復したと手放しで喜べる日とは言えまい。

北方領土問題を抱える道民にとっても複雑な思いがある。同条約で、本来手放す必要のない千島列島を放棄させられた日でもあるからだ。

首相は式典を中止すべきだ。

首相は先月、国会で「条約が発効し、わが国は主権を完全に回復した。独立を手に入れた」と強調し、式典開催を表明した。直後から、沖縄などから抗議の声が相次いでいる。

仲井真弘多(なかいまひろかず)県知事は政府との協議会で「主権回復どころか、米軍の施政下に放り込まれてえらい苦労をさせられた」と不快感を示した。自らの式典出席も見送った。

県議会は抗議決議を全会一致で可決した。政府式典と同日の同時刻に抗議大会を開く計画も進んでいる。

米軍統治下で多くの民有地が強引に接収された。日本の陸地面積の1%以下の沖縄県に在日米軍基地の70%以上が今なお集中する。日本から見捨てられた「屈辱の日」と呼んでいるのは当然だ。

首相は「沖縄返還に向けて第一歩をしるした」日だと釈明したが、県民は納得できまい。基地負担の不平等解消こそ急ぐべきで、沖縄の人たちが「再び切り捨てられた」と感じるような行事は断念すべきだ。

千島列島の領有権も、日本は平和的に得たもので放棄する理由がなかった。放棄の範囲をめぐる北方領土問題はこのとき始まった。

式典は自民党が目指す自主憲法制定にもつながっている。

首相は国会で「憲法も教育基本法も、主権を失っている期間にできた」と述べ、憲法がGHQの押しつけだとの持論に結びつけた。

戦後民主主義の柱を打ち立てた占領の7年間や憲法の平和主義を否定的にのみとらえ、改憲への一里塚にする意図が見える。賛同できない。

式典には天皇陛下が出席予定だ。

沖縄県民が疎外感を味わう式典は「国民統合の象徴」が出席するのにふさわしいだろうか。改憲につなげる行事であれば「天皇の政治利用」のおそれがある。

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北海道新聞

 

 

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