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2013/05/29
【神奈川新聞】社説:アフリカ開発会議 援助の視点も忘れずに


 

【神奈川新聞】社説:アフリカ開発会議 援助の視点も忘れずに
http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1305270001/

第5回アフリカ開発会議(TICAD)が6月1日から3日間、横浜で開催される。同大陸から約40カ国の首脳クラスが集まり、主に開発について話し合う国際会議だ。初開催された1993年から20年の節目でもある。

この間のアフリカ諸国の発展は目覚ましい。現在でも大陸全体で5%を超える経済成長率を記録している。そこには、国際機関から非政府組織(NGO)をはじめとした民間団体までの幅広い層が参加して開かれるこの会議が寄与した面が大きい。

石油、石炭、天然ガス、あるいはレアメタルといったエネルギーや鉱物資源の宝庫。2050年には現在の倍の20億人に達すると見込まれる巨大市場でもある。会議を主導する日本も、各国との協議を通じ、民間企業進出や資源の安定確保につなげる狙いだ。

会議はもともと貧困の削減を目的に始まった。アフリカの昨今の勢いを受け、今回は「援助から投資へ」がキーワードになるとの見方もある。しかし、そうした側面ばかりが脚光を浴びるのは、かえって諸国の利益を損ねることになろう。

豊かな石油資源を誇るナイジェリア。大陸最大の人口1億6千万人のうち7割が、1日の所得125円以下という超貧困に苦しむ。

中学校に進む子どもは2割にすぎず、識字率は4割にとどまる。平均寿命は男女とも50歳ほどだ。一方で、各国から投下された資金が一部の層に集中し、格差を生んでいる。凶悪犯罪の発生率の高さと無関係ではない。

宗教や民族といった実情を無視して引かれた、真っすぐな国境が大陸のあちこちに見られる。かつて支配した先進諸国の身勝手がもたらしたものである。1月に発生し、多くの犠牲者を出したアルジェリア人質事件も、そうしたゆがみが遠因としてあると指摘されている。

「有力市場」「貿易相手」「投資先」といった資本主義的評価はもちろん大切だ。だが日本の弱点であるエネルギー資源を確保する、日本企業の利益のために、という目的だけでは持続的で友好的な関係は深化しない。

貧困解決、教育、医療といった分野で、あるいは水道や道路といったインフラ整備で、日本ならではのきめ細かいノウハウが生かせるはずだ。そうした存在感を発揮する意思を横浜から発信してほしい。

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神奈川新聞

 

 

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