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2013/06/24
【河北新報】東日本大震災 災害弱者対策/行政の調整能力が問われる


 

【DIGITAL GOVERNMENT】高齢者の「みまもり」にICTをどう活用するか
http://e-public.nttdata.co.jp/topics_detail2/contents_type=2&id=896

東日本大震災では、犠牲者の約65%が60歳以上だった。子どもや障害者も加えれば、いわゆる「災害弱者」が犠牲になった割合はさらに増す。

時間が切迫する中で、自力での避難が困難な高齢者らをどのように救うかは、大震災が残した宿題の一つでもある。

災害対策基本法が改正されて、市町村は「避難行動要支援者」の名簿作成を義務付けられた。高齢者や障害者、乳幼児らが対象になる。

その名簿はさまざまな組織に提供できることも同時に盛り込まれた。災害弱者を救うために一歩踏み込んだ形だが、もちろん名簿を準備しておけば済むわけではない。

名簿作成の義務化を受けて、自力避難できない人を誰が救うのか、実効性のある支援計画づくりが課題となる。公的組織だけでなく、地域の民間ボランティアらにも参加してもらわなければ対応しきれないだろう。

個々の状況を調べながら、支援者として誰が適切かを検討していくのは行政の任務だ。おざなりの「お役所仕事」にならないよう、真剣に取り組まなければならない。

要支援者名簿の必要性は以前から指摘されていた。国は2005年、市町村に作成を求めたが、実際に作ったのは全体の60%程度にとどまった。

大震災では名簿を元に避難支援計画を作っていても、かなりのケースで実行できなかったことが明らかになっている。

大震災の時点で、宮城、岩手、福島3県の沿岸部37市町村のうち24市町村が支援計画を策定していた。ただ、そのうちの10市町村は「実際に役に立たなかった」と回答している。

「津波の到達まで時間がなかった」「役場庁舎が被災し、必要な情報を取り出せなかった」などを理由に挙げた。程度の差はあれ、多くの市町村で同様の状況に陥ったと推測される。

大震災を教訓にするなら、最低限でも関係機関に事前に名簿を提供し、打ち合わせをしておくことが欠かせない。

地域全体が機能不全に陥ることも考慮しなければならない。できるだけ近くに住んでいる人たちに助けてもらうのが原則だとしても、隣接市町村からのバックアップ体制なども考えておく必要がある。

家族や親類、知人に頼れない人が、どこにいるのかをまず把握し、誰が支援に向かうか、さらに次善の備えも用意しておくのが基本だろう。

支援される側の要望を採り入れることも大切だ。昨年6月に東京都がまとめた調査では、障害者団体は個々の障害の内容に配慮した対応を強く訴えた。行政に加え、近隣住民による避難誘導ネットワークの構築を求める意見もあった。

災害弱者を実際に救うためにはかなりの人の協力が必要であり、民間ボランティアらが果たす役割も大きい。そうした人たちをどう効果的に組織していくのか、行政に求められるのはむしろその調整能力になる。

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河北新報

 

 

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