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2013/07/16
【東京新聞】<2013岐路>被後見人と選挙 思いが確実に届くよう


 

【東京新聞】<2013岐路>被後見人と選挙 思いが確実に届くよう
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013071502000123.html

成年後見人がついた認知症や知的障害の人でも、今参院選から投票できるようになった。救いの手を必要としている人の思いこそしっかりと政治に届けたい。

精神や知能に障害があって物事の判断が苦手な人に代わり、家族らが後見人として財産を管理したり、契約を結んだりする。不利益を遠ざけ、その人らしい暮らしを支える。それが成年後見制度だ。

後見人がついた人は選挙権を失うという法定ルールは、その目的を違えるものだったと言える。五月に公職選挙法が見直されて権利を回復したが、遅きに失した感が強い。

十三年前の制度導入時から問題は指摘されてきた。三月に東京地裁が違憲判決を出すまで、改正に動かなかった国会の罪は重い。

財産の管理能力が乏しいからといって、選挙での投票能力まで否定できない。認知症患者や障害者の尊厳を守る制度を、政治参加の道を閉ざす指標として流用してきたのはあまりに乱暴すぎた。

選挙権を取り戻した被後見人は全国でおよそ十三万六千人。東京都内で一万五千六百人、愛知県内で五千六百人に上る。総務省と選挙管理委員会は支障なく投票できる環境づくりに努めてほしい。

気がかりなのは、改正公選法が不正の防止にばかり注力しているように見えることだ。

確かに、病院や老人ホーム、障害者施設での不在者投票に絡んで、職員が入所者に特定候補者への投票を働きかけたり、誘導したりする事件は後を絶たない。

これらの施設には、外部立会人を置く努力義務が課された。候補者や政党の名前を書けない人に代わり代理投票をする代筆役も、投票所の職員らに限られた。

被後見人の参加も踏まえ、公正を期して監視を強めるのも仕方あるまい。しかし、抑圧的な空気が投票をためらわせたり、あきらめさせたりしては元も子もない。

主権者として自信と誇りを持ち、堂々と選挙権を行使できるよう周りは最大限の配慮を払うべきだ。

候補者は触れ合う機会を増やし、情報をかみ砕いて発信できないか。選管は意思をくみ取る手だてを家族らと事前に相談できないか。創意工夫を凝らし、教訓を次に生かしたい。

六月に成立した障害者差別解消法は、障害のある人を分け隔てる社会の仕切りを取り除くよう求めている。日本の被後見人の参政権の行方は世界も見守っている。

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東京新聞

 

 

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