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2013/07/24
【毎日新聞】生活困窮者自立支援法案の廃案


 

【毎日新聞】生活困窮者自立支援法案の廃案
http://mainichi.jp/opinion/news/20130723k0000m070125000c.html

参院選を前にした政局の波乱により、先の通常国会で生活困窮者自立支援法案が廃案になった。同法案が目指す公的相談体制充実を長年求めてきたホームレス支援団体を中心に落胆が広がっている。貧困問題の取材を続けてきた私は、誰にも相談できぬまま、路上生活に陥る事例を多く見てきた。法案には課題もあるが、新たなセーフティーネットの整備が急務だ。

◇「つながり」失い路上生活の例も

自立支援法案は「自立相談支援事業」を柱の一つとしている。自治体に専用の相談窓口設置を義務付けており、運営はNPO法人などに委託でき、ハローワークなどの外部機関・団体と連携。相談者ごとの事情に応じた支援プランを作成する。窓口対応だけでなく、困窮者を早期発見するための訪問支援(アウトリーチ)も想定されている。

実際に困窮者を取材して見えてくる課題は、社会や家族とのつながりが失われているということだ。ホームレス支援団体はそれを「関係の困窮」と呼ぶ。

私は同名のタイトルで昨秋から熊本面で困窮者問題に関する連載を続けてきた。熊本市で路上生活をしていた大阪府出身の30代男性は高校時代、父親の家庭内暴力と母の死で家から遠ざかった。さらに詐欺商法に引っかかって借金を抱え、リーマン・ショックで失職。父親も亡くなり身寄りがなく「どうしたらいいか分からない」中で昨年2月、熊本市の公園に流れ着いた。「このまま死ぬのか」。ベンチで横たわっていると地元のNPO法人「くまもと支援の会」のメンバーに声をかけられ、生活保護申請の支援を受けた。今も会に見守られながら福祉作業所に通う。

アルコールやギャンブル依存症、知的障害などから仕事や人間関係を失い困窮に陥るケースも少なくない。同会によると、昨年度相談を受けた351人のうち121人に知的・発達・精神障害の傾向がみられた。税控除などが受けられる療育手帳を知らない人も多いという。

現場を取材すると、こうした人たちを積極的に受け止める相談支援の窓口を地域に設ける必要があると痛切に思う。自立支援法を先取りする形で、既に積極的な相談支援を行っている自治体もある。熊本県人吉市もその一つだ。

窓口となる市消費生活センターだけでなく、納税や高齢者支援、水道、市営住宅管理など市民生活に密着した部署との連携を徹底している。市営住宅の家賃滞納者や病気なのに病院にかかっていない市民などに声をかけ、必要な場合はセンターにつなぐ。生活困窮問題に関する職員研修も全庁で行っている。

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毎日新聞

 

 

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