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2013/08/22
【西日本新聞】社説:社会保障改革 丁寧な説明と議論が要る


 

【毎日新聞】社説:社会保障改革 丁寧な説明と議論が要る
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/34548

政府は、年金、医療・介護など社会保障制度の改革案と実施時期を示した「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。

消費税増税だけでは増え続ける社会保障給付を賄えず、国の借金の形で将来世代にツケが回る。それを避けるために余裕のある人を中心にさらなる負担を求める-。簡単に言えば、そういうことだ。

もちろん、負担増には不満、反発がある。だから、給付の抑制にも取り組み、効率化を進めるという。だが、負担増も給付抑制もそう簡単ではない。誰にどのくらいの負担増を求めるのが最適なのか。さまざまな考え方があり得るから

だ。

かつて小泉純一郎政権の医療費抑制策に猛烈な反発が起きたこともあった。

より公平な負担を考えるには、損得や感情論ではなく、客観的なデータに基づく丁寧な説明と冷静な議論をする必要がある。そのために現状がどうなっているのか。徹底した情報公開を図り、国民の理解を深めていくことが鍵になる。

政府の法案骨子の土台になったのは、有識者による社会保障制度改革国民会議が今月初めにまとめた報告書である。

国民会議は、昨夏の国会で成立した消費税増税を含めた社会保障と税の一体改革関連8法の一つを根拠に設置された。

会議は15人の委員で構成、少子化、医療・介護、年金について議論を進め、昨年11月から20回の会合が重ねられた。

議題は膨張する社会保障制度をいかに持続可能なものにしていくかであった。

そこで出てきた一つが、現在1割の70~74歳の医療費窓口負担を2014年度にも2割に引き上げることだ。その際、2割負担の対象を新たに70歳に達した者からとするとの考え方も出された。

法案骨子には「70~74歳の一部負担金の取り扱い」としか書かれていない。報告書通りに新たに70歳に達した者からとするなら、その理由の説明が当然要る。

主に大企業の健康保険組合は、75歳以上の後期高齢者医療の支援増額を求められる。健康保険組合連合会によると、新たな方式で1411の健保組合の約3分の2で負担が増え、支援金は全体で1400億円の負担増との推計がある。

介護保険では高所得者の自己負担を現行の1割から増やすことが検討される。

報告書は負担増ばかりでない。(1)市町村単位の国民健康保険を都道府県単位に集約(2)短時間労働者に対する厚生年金保険や健康保険の適用拡大-など制度改正が提案され、法案骨子に盛り込まれた。

ただ、個別課題以上に法案骨子で気になったのは、社会保障の基本は自助・自立にあると強調されていることだ。

国民会議の委員の一人も指摘したが、非正規雇用の増加や一人親世帯の困窮など現実には自助・自立を阻む壁がいろいろある。政府にはこれを壊して自立が可能となる条件整備をする必要がある。

社会保障制度改革には、縦割りの組織・制度を超えた広い視点が必要で、細かい気配りが制度設計には欠かせない。

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西日本新聞

 

 

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