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2013/11/15
【毎日新聞】記者が行く:累犯障害者の現実 社会全体で見守る態勢を


 

【毎日新聞】記者が行く:累犯障害者の現実 社会全体で見守る態勢を 放火や性犯罪敬遠、少ない受け入れ先 /兵庫
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20131030ddlk28040308000c.html

放火や性犯罪敬遠、少ない受け入れ先 /兵庫

取材で毎日のように触れる事件の情報。その中には、知的障害があり何度も犯罪を繰り返す累犯障害者による事案も多い。ある調査では、刑務所に入所中の知的障害者の7割が再犯者だった。司法と福祉をつなげ、再犯を防ごうとする動きもあるが、累犯障害者への理解が進まない現実もある。過去に犯罪を繰り返した1人の男性を通じて、問題解決への道を考えてみた。【道下寛子】

県内の障害者支援施設に入居する男性(25)は軽度の知的障害がある。財布などを盗んだとして1度補導され、2度逮捕されたことがある。

母子家庭で育ち、4人の妹がいた。小学4年の時、母の知り合いの家族と一緒に暮らすようになり、虐待を受けた。殴られたり蹴られたりして、服に隠れる部分はアザだらけだった。食事は満足に食べさせてもらえず、暴力を受けた3番目の妹が意識を失って救急車で運ばれたこともあった。

16歳の時、両足に鎖を付けられた。玄関まで届くほどの長い鎖だった。1年後、隠してあった鍵で鎖を外し、逃げた。関東方面へ電車で向かう途中、車内で乗客から財布を盗み、初めて逮捕された。男性は「食べ物、飲み物を買うお金が欲しかった」と振り返る。

医療少年院に送致され、10カ月で退所した後、再び同じ家族と暮らすことに。数カ月後に逃げ、コンビニで万引きをして逮捕された。少年院を出てから1年も過ぎていなかった。

その後は障害者施設を転々とし、2009年に現在の施設に入所した。施設内の自立訓練棟で2人1部屋で寝泊まりし、日中は屋外で肉体労働をする。今冬までに1人暮らしを始めることが目標だ。

男性は取材に応じ、話した。「被害者の方たちには申し訳ないことをしました。悪いことをしないために、どうしたらいいのか、毎日考えています」

龍谷大法科大学院の浜井浩一教授(犯罪学)は「累犯障害者の中には、福祉の支援があれば犯罪を繰り返さずに済んだ人もいる。ただ、現実には犯罪者というレッテルで区別され、支援もないまま社会復帰は本人に任されてきた」と指摘する。

厚生労働省の研究班によると、06年に全国15カ所の大規模刑務所に入所していた知的障害者410人のうち再犯者は7割近い285人。うち162人(約57%)は5回以上繰り返していた。

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毎日新聞

 

 

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