Be FLAT:10代の人権情報ネットワーク

人権関連トピックス

一覧ページへ

2014/01/15
【毎日新聞】記者の目:新型出生前診断の課題


 

【毎日新聞】記者の目:新型出生前診断の課題=須田桃子(東京科学環境部)
続きを読む
毎日新聞(無料会員登録で閲覧できます)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140115ddm005070003000c.html

【毎日新聞】記者の目:新型出生前診断の課題=須田桃子(東京科学環境部)

◇「命の選別」助長の恐れ

妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)が昨年4月に臨床研究として始まった。9月末までに受けた妊婦は約3500人。今後、急速に普及する可能性があるが、取材からは多くの課題が浮かんだ。私は、この検査は安易に受けてよいものではなく、現状のまま広めることにも慎重であるべきだと考える。

現在のNIPTは、21番染色体異常のダウン症(21トリソミー)、ともに重い成長障害などを伴う13番染色体異常の13トリソミー、18番染色体異常の18トリソミーの3疾患の可能性を、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAの断片から調べる。従来の診断に比べ簡便で精度が高く、羊水検査のような流産の危険性がないのがメリットとされる。しかし、「採血のみ」という手軽さの一方で、検査に大きな精神的負担を伴うことは、あまり知られていない。

◇悩んで悩んで苦しんで結論

昨年4月、1組の夫婦に出会った。妻が42歳と高齢で、出産するかどうか決めるため検査を受けようとしたが、事前のカウンセリングで「検査はそのような判断のためのものではない」と説明され、戸惑ったという。2人は話し合いを重ね、中絶を前提にせず、結果を受け止める心境になった。「意識が変わると気持ちが明るくなり、おなかの赤ちゃんをかわいいと思えるようになった」と語る妻の言葉にハッとした。妊婦は、次第に大きくなるおなかや胎動から、胎内の命を実感する。しかし、「異常があれば中絶するかもしれない」という心境では、胎児の存在に正面から向き合えなくてもおかしくはない。

さらに、染色体異常が確定すれば、妊娠を続けるか否かの選択に直面する。臨床研究を進める団体「NIPTコンソーシアム」などによれば、検査を受けた約3500人中、陽性は67人。異常が確定し、妊娠が継続していた54人中53人が中絶を選んでいた。陽性の症例に対応した昭和大病院(東京都)の四元淳子・認定遺伝カウンセラーは「皆さん悩んで悩んで、苦しんで結論を出している」と話す。「とりあえず」「勧められたから」という安易な理由で受けてよい検査ではない。

続きを読む

毎日新聞(無料会員登録で閲覧できます)

 

 

関連キーワード:

一覧ページへ