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2015/06/05
【毎日新聞】水平社宣言:記憶遺産再申請 創設メンバー・阪本清一郎直筆の備忘録を資料追加 差別体験つづる /奈良


「畜生、泥棒、人殺、云ふ暴言よりも穢多(えた)と云はれる事ハ、実に残念でもあり、又心臓の奥までも聞へたのである」

備忘録は、県内の被差別部落出身で1922(大正11)年の水平社創立の中心メンバーだった阪本が14?22年にかけて、子供時代を振り返りながら思いを書き留めたものだ。「穢多と云ふ事はどんな事か、なぜ私等の者丈(だけ)がキラワレタリ、井ジメラレタリスルのか」。一冊の色あせたノートに、怒り、悲しみ、疑問といったさまざまな心情がにじむ。備忘録を所蔵する同博物館の駒井忠之館長は「この感情がエネルギーとなり、水平社創立につながったのだろう」と話していた。

水平社は22年3月3日、阪本や西光万吉ら被差別部落の青年グループによって創立された。創立大会で読み上げられた「人の世に熱あれ、人間に光あれ」で締めくくられる水平社宣言は、今回の申請資料の中核だ。

水平社創立の直前に書かれた備忘録の記述を見ると、水平社の創立が歴史的な意義を持つことへの期待がにじむ。「三月三日は何んの日である? 全国に散在する吾々三百万の部落民にとって之程意義深い日は嘗(かつ)て無い」

水平社宣言は、差別を受けたマイノリティーが自ら連帯して立ち上がった「人権宣言」とも言える。駒井館長は「被差別部落の人々だけでなく在日朝鮮人やハンセン病患者らにも勇気を与え、翌年にはアメリカの雑誌で取り上げられた」と指摘し、その普遍性を強調する。

今回改めて世界記憶遺産に申請された水平社宣言。駒井館長は「ヘイトスピーチの問題など、今は人権意識が低下しているように感じる。水平社の思想を世界中の人と共有できれば、意識が高まっていくのではないか」と期待した。

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毎日新聞

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