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2017/11/29
【アジアプレス】空襲・戦闘で負った心の傷 トラウマに今なお苦しみ続く体験者(加藤直樹)


◆日本でも――戦争のトラウマに苦しむ人たち

学生時代、友人の自宅に大勢でよく遊びに行った。優しいおばさんは迷惑な顔もせず、いつも唐揚げをつくって歓迎してくれた。その日もおばさんは、唐揚げをほおばりながら騒ぐ私たちの様子を楽しそうに眺め、冗談に一緒に笑っていた。ところが次の瞬間、おばさんは独り言のように、こんな話を淡々と語り始めたのだ。

「東京大空襲のとき、私は動員で工場にいてね。朝を待って自宅に走って帰った。道は死体でいっぱいだった。それを踏まないと歩けなかったの。でもなぜか、何も感じないの。隅田川まで来たら、川面は死体で覆われていた」

あまりに唐突で場違いな話題が飛び出したことに、私たちは戸惑い、沈黙してしまった。すると彼女はハッと夢から覚めたような顔つきになり、「あら私、なんでこんな話したんだろう。こんなこと人に話したの初めて」とつぶやくと、何もなかったように話題を変えたのだった。

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アジアプレス

 

 

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