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| 「ドメスティック・バイオレンス(DV)」について考える2回目。その当事者だった女性とシェルター(一時緊急避難所)のスタッフに話を伺いました。
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《DVとは》 夫婦間など親密な関係にある男女の間で、主に男性から女性に一方的に繰り返してふるわれる暴力のこと。男性側に「女は男の従属物」という意識があるケースがほとんど。
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家出決行のとき
「眠ってしまったら、殺されるかもしれない」 高鼾で眠る夫が寝返りを打つたび、びくっとする。ミキさん(当時35=仮名)は、右耳の上の部分の傷口をタオルで覆って出血を止めながら壁にもたれて座り、まんじりともせぬまま一夜を過ごした。いっそうのこと、ひと思いに夫を殺してしまいたい。何度もそんな衝動にかられたが、5歳の息子のことを考えて思い止どまった。
「前夜の夜ごはんが、ハンバーグだったんです。酔って帰ってきた夫が、『俺にハンバーグを食えと言うのか。バカヤロウ』と、いきなりお皿をひっくり返して暴れ始めた。『どういう意味?』と聞くと、『そんなことも分からんのか。俺は今日のランチにハンバーグを食べたのだ。同じものを食えるか』と蹴られた。そして居間に置いていた備前焼きの大壷を私の頭に振りおろしたんです。『殺してやる』と言いながら」
翌朝、夫を送り出した後、病院に走って手当を受け、ボストンバッグに母子2人の当座の着替えを詰めて、息子の手をひき家を出た。財布の中は3万円のみ。 「おばあちゃんちに行くからね」
事情を知ってか知らずか、何も聞いて来ない息子が不憫だった。電車を乗り継ぎ、2時間かかって着いた隣県の実家で、母に涙ながらに前夜のことを訴えた。 「痴話ゲンカでしょ。お父さんの若い頃はもっとひどかった。あんたは辛抱が足らな
い」 母に頼れないと思ったミキさんは、その日の夕刻、駅の公衆電話から「もしも」の 時のためにメモをしていたシェルターに電話をかけた。
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