日立就職事件
1970年、愛知県在住の在日韓国人、朴鐘硯(パク・チョンソク)さんが、日立製作所ソフトウエア戸塚工場の求人広告を見て応募。受験し、採用通知を受けた(氏名は通名、本籍地は住所で書類を書いた)。 入社にあたって、戸籍抄本の提出を課された時、「在日韓国人であるから戸籍謄本が出せない」と申し出ると、会社側は「氏名、本籍にうそを書く性格上信頼できない人」として採用を取り消した。朴さんは、これを「国籍を理由にした民族差別」と訴えた。
 74年、横浜地裁は、「日本名は出生以来使用している通用名であって偽名とはいえず、採用試験にあたって氏名・本籍を偽ったとしても採用を取り消すほどの理由にはならず、真の理由は在日韓国人だったからだ」と判断し、国籍による差別を禁じた労働基準法3条違反、民法90条違反で、採用取消を無効とした(会社は控訴せず、確定)。

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