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「いろんな性」「いろんな生き方」があっていいんだよ
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女の子の性の本―こころもからだも私のもの(池田久美子・尾藤りつ子著 解放出版社・価格1,000円+税)
※本の写真をクリックすると、amazonのホームページから本を購入することができます。 |
昨年、出版された『女の子の性の本』は、性の情報不足が当事者をいちばん苦しめるといった池田さん自身の経験が本づくりにつながったもの。「レズビアンであることに気づくまでの7年は、自分の一部が出せないことで人間関係が狭まってしまい、人にもまれて形成されていく人間性などの面が遅れてしまった気がする。それはマイノリティの子どもが陥りやすい点だ」と指摘する。
この本を通して池田さんが伝えたいのは2点。1つは「性は多様であっていい」という正確な情報を知ってほしいこと。2つ目は「セクシャルライツ(性的自己決定権)」をしっかり認識してほしいこと。自分という存在は世界に一人しかいない大切なもので、生き方や身体は自分のものであり、自分の性行動などは自分で選び決定することができるというものだ。それはセクシャルマイノリティに限らず、すべての女の子に、また、それを取り巻くすべての人々に身につけてほしいことだという。
本づくりにあたって池田さんらは、セクシャルマイノリティの中高生の気持ちを聞いている。ある性同一性障害の女の子は、女子トイレに行けないことや着替えを女子と一緒にできないと訴えた。他にも、クラスのなかで居場所がないと悩む子、同性とつきあいたいがクラスの子にいじめられて苦しかったと話す子もいた。しかも、彼女たちすべてが性転換の手術までを望んでいるわけではなく、その間(グラデーション)の情報がないことですごい不安になっているという事実も分かった。
そうした声が、誌面の「友だちはみんな男の子が好きなのに、同級生の女の子を好きになってしまいました」「制服のスカートをはくのがイヤなのですが・・・」など、「私の悩みQ&A」のページに活かされている。たくさんの悩みをかかえる子どもたちへの結論としては、「あなたはあなたのままでいい。これが正解というものはないので、自分の気持ちを大切にしていくこと」に尽きるそうだ。
「セクシャルマイノリティの情報を身につけると、そちらの方向へ向かうのではないかという誤解が多いのですが、そういうものじゃない。たとえば男と女しか愛し合えないという狭い情報だけだと、同性を好きになった場合、自分は男に変わらなければならないと大きな誤解をしてしまい、自分の中で無理をすることになる。でも、情報がたくさんあるほど自分の状態が把握できるんです」と、体験者だけに池田さんの答えは力強い。
それぞれの幸せを信じて・・・
6年間続けた同和教育の担当教員を終え、久々に担任を持った昨年。カムアウトのきっかけとなった郵便局員の友人に、在日韓国朝鮮人の人権や他民族共生の地域での取り組みについて講演してもらい、彼との出会いを話すなかで新しい生徒に改めて自分のカムアウトについて話した。
ほとんどの子から感想が返ってきた中に、自分が言いたい以上にシンプルな声を寄せてくれた子がいた。
<先生の話を聞いてびっくりしたけど、いろんな人がいて、いろんな生き方がある。その状態が楽しいんだなと思いました>
「あまりに素直なこの声こそがもっとも正解じゃないかと思った。いろんな生き方があって、それがそれぞれの人にとって幸せであればいちばんいいことなんですから・・・」
暗闇におかれた幼子のように情報がまったくなく存在さえ認められなかった状態から、少しずつでも情報が行き交い、存在が認められるようになった現在の段階へ。状況はいい方向に向いているのは事実だが、異性間の婚姻関係や内縁関係に比べ、同性間パートナーの法的な保障は皆無なのが現実である。昨年、性同一性障害の戸籍の性別変更が認められたのを大きな契機に、池田さんらは同性間のパートナーシップを法的に保障する制度を求めて動き始めている。
<『女の子の性の本』のもう一人の著者である尾藤りつ子さんは一昨年逝去されました。心より御冥福をお祈りいたします。>
【池田久美子さんの連絡先】
〒530-0015
大阪市北区中崎西1−1−7 トーカンマンション東梅田408
QWRC気付
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