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2013/04/08
【中日新聞】施設誘致停滞 国立ハンセン病療養所


 

【中日新聞】施設誘致停滞 国立ハンセン病療養所
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20130408/CK2013040802000089.html

全国十三カ所の国立ハンセン病療養所で、入所者の高齢化と減少を踏まえた将来構想づくりが停滞している。立地の悪さに悩みながらアイデアを出す入所者側に対し、国は「地元の希望を聞いている段階」と腰が重い。最後の一人までの在園保障を掲げたハンセン病問題基本法の施行から、今月で四年。その具体的な道筋は見えていない。

箱根山系の森林に囲まれた駿河療養所(御殿場市)。最寄りの集落との間には、曲がりくねった一・七キロの専用道路だけ。バスなど公共交通はない。

入所者と市などは二〇一〇年三月、障害者施設などの誘致を盛り込んだ構想案を策定。だが、現実には誘致は難しい。入所者自治会長の小鹿(おじか)美佐雄さん(71)は「このまま将来構想が進まなければ、私たちの生活は成り立たなくなる」と訴える。

というのも、施設誘致を含めた将来構想は療養所の維持と直結するからだ。たとえ入所者数が一人になっても医療や介護、事務など運営には多数の職員が必要となる。他施設を併設すれば共通の職員として確保する道も開ける。「あと十年もすれば心配は現実になる」と小鹿さん。現在の入所者は七十二人。この二年半で二十人減った。

同様の構想案は、これまでに十二の療養所自治会が作成している。唯一の例外が、大島青松園(高松市)だ。

〇五年に検討委を一度は設けたが、前自治会長の山本隆久さん(80)は「立地条件が厳しすぎて断念した」。周囲七キロの瀬戸内海の離島で、ほぼ全土が療養所。一般の定期航路もない。「こんな場所につくったのは国の隔離政策。将来構想も国が責任を持つべきだ」と憤る。

これに対し、厚生労働省国立ハンセン病療養所管理室は「国として将来構想の方針を示すことはない」との立場。「一方的に押しつける形になってはいけない。各地の要望を聞き、検討材料として尊重したい」と説明する。

基本法施行で施設誘致が可能となり、昨年は菊池恵楓園(熊本県合志市)と多磨全生園(東京都東村山市)に保育所が開園。全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏(こうみちひろ)会長(79)は「地域との共生を発信し、ハンセン病への偏見を打ち破る意義は大きい」と評価する。ただし「医療や介護職員がいないから、療養体制の維持には直接関係しない」。

そんな中、岡山県瀬戸内市は、市内にある邑久(おく)光明園に特別養護老人ホームを誘致すると公表した。今月一日には公募で業者が決定。二年後の開所を目指す。神さんは「邑久は有効なモデルケースになりうる。残された時間はわずか。国は『最後の一人まで』の理念だけではなく、実現するための具体策を示すべきだ」と指摘している。

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中日新聞

 

 

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