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2013/07/05
【毎日新聞】出所者らの更生支援


 

【毎日新聞】出所者らの更生支援
http://mainichi.jp/opinion/news/20130702k0000m070119000c.html

毎年5月の「母の日」、東京都江東区の保護司、中澤照子さん(71)は、用事も入れず家で特製のカレーを作る。担当した元保護観察対象者の誰かが必ずカレーを食べに訪ねて来るからだ。1998年に保護司となり、15年で53人の対象者と関わってきた。保護観察終了後も時折、会いに来たり、電話やメールで連絡してきたりする元対象者が10人ほどいる。息の長い取り組みが刑務所や少年院を出た人の更生を支えているが、報酬がもらえるわけではない。更生支援は長年、中澤さんのような市井の人々の熱意に頼り切りだったというのが実情だ。

「雪かきでもしたら世のため人のためになる」。保護司になって間もない冬、中澤さんは担当した少年に言った。翌日に偶然、大雪が降り、少年や仲間と一緒に汗を流した。通行人から感謝され、差し入れの飲み物ももらった。そんな経験が少年との信頼関係を深めた。交流は今なお続く。「お母さん」。中澤さんをこう呼ぶ元少年は今年2月、仲間と1泊2日の温泉旅行に連れて行ってくれた。

10年ほど前に担当した60代の男性は6度服役していた。「駆け落ちした夫です。何度服役しても一生添い遂げます」という妻の言葉にも心を打たれ、男性と向き合い続けた。保護観察を終えると、男性は毎年お歳暮にワインを送ってくるようになった。固辞したが、「刑務所に入っていない証拠だと思ってほしい」と懇願され、受け取っている。

だが今、保護司不足や高齢化が年々深刻化している。法務省の統計では、今年1月現在の全国の保護司は4万7990人。平成以降で最も少なく、保護司法の定数5万2500人に届かない。平均年齢は64.3歳で、記録が残る1953年以降で最も高い。

◇保護司担い手 都市部で不足

各地の保護司は地域で新たな担い手を勧誘しているが、特に都市部の状況は厳しい。東京保護観察所によると、都内23区と島しょ部の保護司の充足率は76.5%。他の市町村の87.0%に比べて1割低い。三本松篤・同所次長は「マンションのような集合住宅が多い都市部では、近所づきあいが希薄なだけでなく、『自宅が狭いので対象者との面接スペースを確保できない』との理由で断られるケースも多いのが実情だ」と話す。

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毎日新聞

 

 

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