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五障は訓読して「五つの障(さわ)り」とも。中阿含経(28)・増一阿含経(38)・法華経(提婆達多品)などの所説で、女には梵天王・帝釈・魔王・転輪聖王・仏の五種になることができない障害があるということ。三従はインドのマヌ法典、中国の儀礼(ギライ)(喪服)などの所説で、女は幼い時には親に従い、嫁(カ)しては夫、老いては子に従うべきだとする考え。いずれも女性の成仏を妨げる根本的障害で、そこから、女性は男性に変身しなければ仏になることができない(変成男子(ヘンジヨウナンシ))と考えられた。インドにおける女性差別の思想が仏教に入りこんだもので、日本において一段と強調され、ときに女人成仏の思想と拮抗するにいたった。(岩波書店『仏教辞典』より) |
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