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映画で考える障害者問題「サイモン・バーチ」
 ’52年、メイン州の小さな町で生まれたサイモン・バーチは、医師も驚くほど小さな赤ん坊だった。奇跡的に生き延びたが、12歳になっても身長は96センチ。「チビ」とからかわれ、両親からも冷遇されていた。そんな彼が、町で有名な私生児ジョーと友達になる。ジョーの母レベッカもサイモンに対して何かと世話を焼いた。美しく優しいレベッカに憧れるサイモンだが、彼が野球の試合で打ったホームランがレベッカの頭を直撃し、彼女は即死。サイモンとジョーはそれぞれ深く傷つき悩むが、お互いへの友情で不幸を乗り越える。そんな二人が、教会が主催する小さな子どもたちのキャンプ に世話役として同行することに。ところが帰りのバスが暴走 し、冬の湖に転落してしまう。かねてから「僕には神様から与えられた特別な使命がある」と考えていたサイモンは、危険を顧みず、子どもたちの命を救ったのだった・・・。


人間関係のレパートリーは多いほどいい 松井寛子さん

相手をよく知ることから関係が始まる


 この映画、私にとってはすごく面白かった。イジワルな教師のイジワルぶりを思いきりデフォルメして描いていたり、シリアスな場面 にスローモーションをうまく使ってたりして。派手さはないけど、「見せる」映画やね。
 風まかせ人まかせの前で 松井さん 主人公はサイモン君という、12歳なのに身長が96センチしかない「障害者」なんだけど、障害がどうのこうのというよりも、血のつながりを越えた人と人とのつながりがさり気なく描かれているのに感心したわ。サイモンは実の親に冷たくされるけど、親友ジョーの母親にはとても愛されていた。サイモンをうとましがっていたジョーのおばあちゃんは、身体が不自由になった黒人のメイドを家族同様に面 倒を見て死ぬまで一緒に暮らした。ジョーは母親が亡くなった後にわかった実の父親ではなく、母親の再婚相手と暮らすのを選んだ・・・という具合に。いわば人間関係のバリエーションがいろいろ出てきたのが興味深かった。

 アメリカの小さな田舎町が舞台で、障害者や未婚の母を差別する空気はある。サイモン君は身体がちっちゃいことでいじめられるし、ジョーは父親が誰だかわからないということで好奇の目で見られてしまう。だけどある部分で差別的であっても、他の面ではまったく差別的でない。これは一見矛盾のようだけど、考えてみれば当り前のことやと思うの。要するに、自分がよく知っていたり好きな人なら、その人がどんな身体や環境でも受け入れられるということ。

 私たちも同じじゃない? 障害のある人と出会った時、たいていの人は「どうしよう!?」と戸惑うと思うけど、それは当たり前。だって、私らの社会は目が見えて耳が聞こえて、自分で歩けるというのが「普通 」とされていて、そういう人ばっかりのなかで育ってきたんやもん。核家族で、お年寄りや赤ちゃんと接したこともない人も多いやん。
 そんな私らが、身体がふにゃっとしていたり口からよだれを流してる人を見て、「どうしよう」「わあ、汚い」と思ってしまうのはしょうがない。大事なのは、「そこからどうするか」ということやねん。

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