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「基本編」


Q12.同和対策事業のための法律はなくなったので、そういった行政施策もなくなるのでしょうか?

問題がある限り、解決をめざす施策は当然求められます。

1969(昭和44)年に同和対策事業特別措置法が制定されて以来、同和対策事業は2002(平成14)年まで33年間にわたって実施されてきました。この特別措置法はもともと10年の時限立法でしたが、期限内に事業は完了せず、その後5度にわたって延長されることになりました。そしてこの間、同和地区の住環境が大きく改善されたことを踏まえ、特別対策は終結することになりました。

ただし、このことをもって部落差別が解決したとされたわけではありません。教育や就業、生活面においては大きな改善がみられつつも、なお格差が存在しています。また、残念ながら人びとの差別意識も依然として存在し解決されてはいません(Q2参照)。そのため、特別施策が廃止された後も、一般施策のなかで、のこされた課題への取り組みがなされる必要があります。

1965(昭和40)年の【同和対策審議会答申】は、同和問題は「国民的課題」であり、「部落差別が現存するかぎりこの(同和)行政は積極的に推進されなければならない」と述べています。これを受け、【地域改善対策協議会】は、1996(平成8)年、「特別施策の終了、すなわち一般対策への移行が、同和問題の早期解決を目指す取組みの放棄を意味するものでないことは言うまでもない」とする【意見具申】をまとめました。内閣も閣議決定でこれを了承し、今後も一般施策のなかで実施していくことを確認しています。

そのためにはこれまでの同和行政の成果を踏まえつつ、部落問題の現状を的確に把握し、必要な施策を講じてゆくことが重要です。そして人権侵害による被害者の救済や差別意識を生む新たな要因を克服するための施策などを視野に入れた、あらたな人権行政を創造することが求められています。

【同和対策審議会答申】
同和行政の基本的指針。「同対審答申」と略されることもあります。部落差別については「その早急な解決こそ国の責務であ」ると述べ、「差別の長き歴史の終止符が一日もすみやかに実現されるよう万全の措置を」と提起し、「特別の措置を規定する内容を有する「特別措置法」を制定すること」を政府に対して要請しました。

【地域改善対策協議会】
1982(昭和57)年、同和対策特別措置法が廃止され、その後を継ぐ地域改善対策特別措置法が施行されたことにともない、政令で設置されました。対策事業に関する基本的事項を調査・審議するための機関です。

【意見具申】
正式名称は、「同和問題の早期解決に向けた今後の方策の基本的な在り方について」。「地域改善対策協議会意見具申」とも呼ばれています。