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「基本編」


Q6.戦後の憲法のもとでは、みんな平等になり差別などないのではないですか?

いぜん根強い差別の解消のため、法にもとづいた対策がなされました。

敗戦後の日本では、明治憲法(大日本帝国憲法)にかわる新憲法が制定されました。これが現行の日本国憲法です。この憲法は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重などを基本原理として掲げた民主的なものでした。

しかし、いかに民主的な憲法ができても、それだけでは部落差別の解消にはなりませんでした。戦前以来の部落の人たちへの差別意識は、依然として根強いものがありました。また都市部の多くの部落は、戦争によって壊滅的な打撃を受け、復興から取り残されたままでした。劣悪な住環境は、部落への差別意識を助長する大きな原因のひとつとなっていたのです。

そこで、この憲法をよりどころとしながら、部落差別の解消に向けた取り組みが開始されました。教育および行政関係者、部落解放運動などさまざまな方面からの、国としての対策を求める政府への働きかけがさかんになります。これを受け、1960(昭和35)年には同和対策審議会が設置され、1965(昭和 40)年には【同和対策審議会答申】がまとめられました。

これにもとづき、1969(昭和44)年には同和対策事業特別措置法が制定され、戦後の同和行政が本格的に開始されました。(Q12参照)

こうした多くの人びとの取り組みにより、差別意識は着実に解消されてきました。しかし、近年でも身元調査(Q15参照)が行われており、インターネット上の差別的な書き込みなど、あらたなかたちの差別事象も起こってきています。その意味で真の平等社会の実現は、いまだ達成途上にあるといわざるを得ません。わたしたちには民主憲法の精神をいかし、人権が尊重される社会に向けて努力することが求められています。

【同和対策審議会答申】
同和行政の基本的指針。「同対審答申」と略されることもあります。部落差別については「その早急な解決こそ国の責務であ」ると述べ、「差別の長き歴史の終止符が一日もすみやかに実現されるよう万全の措置を」と提起し、「特別の措置を規定する内容を有する「特別措置法」を制定すること」を政府に対して要請しました。