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「在日コリアン」


9 「帰化」の意味と手続き

「帰化」とはどのようなことであり、具体的にどのような手続きが必要ですか。

「帰化」というのは、簡単にいえば「外国人が日本国籍の取得を申請し認められること」ですが、そのためには複雑な手続きが必要です。

一方、日本社会には「帰化=日本人になる」というイメージがあり、外国にルーツをもつ人に対して「『帰化』したならば日本人らしく、日本文化を身につけよ」といった同化圧力があります。「在日コリアンはほとんど日本人と違わないのに、どうして『帰化』しないのか」という疑問をもつ人がいるかもしれません。しかし、日本国籍をもつ日本人の多くが国籍変更を考えないように、生まれたときから韓国籍・朝鮮籍をもつ在日コリアンが、国籍を維持することは、ごく自然なことなのです。後述するような、時間と費用をかけてまで、あえて日本国籍を取得することこそ、不自然であるということができるでしょう。

特に、日本で厳しい生活を強いられてきた在日コリアン1世たちには抵抗感が強いといえます。世代が移り、日本人との結婚などを機に、あるいは仕事上の不利などを理由に、「帰化」する人は微増しています。「帰化」をする在日コリアン一人ひとりの選択について、第三者がとやかく言うべきことではありません。しかし、日本国籍を取得しなければ不自由や不利益を感じざるをえないような日本社会のあり方を問題として捉えていく必要があるのではないでしょうか。

国籍については、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどのように出生地主義をとっている国と、日本、中国、韓国などのように血統主義をとっている国があります。出生地主義ではなく血統主義の国籍法をもつ日本では、在日コリアン2世・3世などのように、日本で生まれた人でも、申請をして認められなければ、日本国籍は取得できません(両親の国籍がわからない場合は、例外として日本国籍が取得できる)。

帰化申請にかかわる手続きについては以下のとおりです。

・国籍法には「日本国民でない者は、帰化によって、日本国籍を取得することができる。帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない」と記され、「引き続き5年以上、日本に住所を有する」、「素行が善良であること」等の条件があります。

・申請者が15歳以上であれば本人が、14歳以下であれば父母などの法定代理人が、手続きを行ないます。申請には膨大な書類が必要です。申請者の本国や日本の役所から、外国人登録原票記載事項証明書、国籍を証明する書類(韓国籍・朝鮮籍は本国で発行された戸籍謄本)、親族関係を証明する書類、納税を証明する書類を取り寄せます。

・しかし、申請さえすれば許可されるわけではなく、判断は法務大臣の裁量に委ねられることになります。申請手続きのなかで重ねられる面接などのなかでは、生活のあらゆる面で「日本人」になりきっていることが求められるとされています。名前についても、以前は「日本ふうの名前」がしばしば強制されていたといわれます。

しかし、1980年代以降、「帰化」した人たちによる民族名を取り戻す社会運動が取り組まれるなかで、現在は民族名で日本国籍を取得することができやすくなったとされています。帰化申請をサポートする専門家として、弁護士や行政書士、司法書士等がいます。費用はおおむね20万円程度です。申請から許可までの期間は、法務局によりますが、おおむね1年くらいです。

*執筆協力:NPO法人 多民族共生人権教育センター