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「障害者」
精神障害


地域で精神障害者施設反対の運動が起きている。住民としてどうすればいいのか?
私は住宅街に住んでいます。最近、精神障害者の施設が近くにできるということで、住民の問で大騒ぎになっています。地区の自治会長は「事前に市から何の説明もなかった。自治会は施設建設に同意した覚えはない」と言い、近く建設反対の署名を集めようという動きもあります。私は障害者への偏見はもっていないつもりですが、こうした町内の動きに自分だけ背を向けるわけにもいきません。いったいどうすればいいのでしょう。

まず最初にはっきりしておきたいのは、「居住権は日本国憲法で保障されている基本的人権であり、これを侵すことは明確な人権侵害である」ということです。また、福祉施設建設にあたって地域住民の同意を得る必要も法的にはないのです。ただ、だからといって福祉施設が地域住民の意向をまったく無視してぐ建設・運営されてもよいというわけではありません。地域住民の理解のもとに施設建設がなされるのが、住民にとっても利用者にとっても最善であるのは言うまでもないことです。福祉施設建設をめぐって各地で起こっている施設コンフリクト(摩擦)は、この二つの原則が衝突するところから始まっています。では、どうすれば解決策が見えるでしょう。
何よりも大事なのは、「正しい情報を得る」ということです。地域住民の不安の根底には「精神障害者はこわい。何をするかわからない」という意識があると思うのですが、それは偏見以外の何物でもありません。精神障害をもつ人の犯罪率が高いという科学的な証拠はありませんし、それどころか犯罪の被害者になる確率の方がずっと高いのです。根拠のないうわさや先入観に惑わされず、まず事実を知ることから始めてください。
次に、どういう施設が建設されるのかという情報を集めてください。精神障害者の施設といっても、「生活訓練施設」「地域生活支援センター」「福祉ホーム」「グループホーム」等とさまざまで施設の種類によって利用する人もその機能もまたさまざまです。しかしこれだけでは具体的なイメージがわかないと思うので、場合によっては他地域にある施設を見学してみるのもいいかもしれません。そうするなかで、このような施設を実際に利用している人の姿を知れば、根拠のないおそれは消えてしまいます。現に、施設建設に強硬に反対していた人が、いざ施設ができて当事者の姿を知ると、今度は逆に最も強力な理解者となって施設の運営を助けている例が少なくありません。
「知らない」ことが偏見につながるのです。ですから、あなたもできるだけ知ろうとする努力をしてください。そうした姿勢はきっと他の地域住民にも伝わるでしょう。
ストレスが満ちているこの社会では、精神病を発症する可能性を誰もがもち合わせています。障害者が当たり前に暮らせる街は、障害をもたない人にとっても暮らしやすい街です。個人の利害に終始することなく、地域づくりも視野に入れて、あなたの街のことを考えるようにしましょう。そこから「福祉施設建設に際して地域住民がどのような対応をすればいいのか」という問いの答えも見えてくるはずです。