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「子ども」
児童虐待


児童福祉施設とはどういうところ?
知人の家庭では「子どもは小さなころから厳しくしつけるべき」として、幼いころから激しく叱責したり、体罰を行なってきたようです。先日、子どもが夜遅くまで遊んでいたことに父親が激怒し、厳しい体罰をしたことで子どもがけがをするに至り、子どもだけが施設へ入所したと聞きました。この施設とはどういうところなのでしょうか。

虐待を受けている子どもと虐待している保護者がともに生活することが困難な場合、児童相談所は子どもを乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設に入所させたり、里親に委託することができます。
虐待を受けた子どもが主として入所する児童福祉施設としては、0歳から1歳の子どもを預かる「乳児院」、1歳以上18歳までの子どもを養育し、自立を支援する「児童養護施設」があります。「児童養護施設」に入所する子どもの年齢層は幅広く、施設内や地域の幼稚園で保育される子どもや、施設の校区にある小中学校や地域の高校に通う子ども、夜間高校に通いながらアルバイトをして自立をめざす子どもなどが共に生活しています。
また、感情や行動などが不安定な状態にあり、社会生活が困難になっている子どもを短期間入所させ、心理療法と生活指導を行なう施設として、「情緒障害児短期治療施設」があります。施設入所とは別に、各都道府県知事および政令市市長が認定した里親(個人の家庭)に養育を委託する里親制度があり、家庭的環境のなかで0歳から18歳の子どもが養育されています。いずれも子どもの日常生活を通じて情緒的な安定を図るとともに、児童相談所と連携して家庭環境の調整を行ないます。
施設入所後、児童相談所と児童福祉施設は、子どもと保護者への援助計画を立て、連携しながら、家族が再びいっしょに暮らせる環境を整えることをめざします。
子どもに対しては、安心して生活できるよう、また、虐待で受けた身体や心の傷が治癒するよう援助します。保護者に対しては、関係機関と連携しながら、生活問題の解決や子どもとの関係の改善に向けて、医療や必要なサービスを紹介したり、カウンセリングなどの援助を行います。しかし、それでも子どもが保護者とともに生活することが将来にわたって困難であると判断した場合は、子どもの自立に向けて支援をします。

【解説】児童福祉施設
全国の児童福祉施設数は、乳児院114カ所、児童養護施設555カ所、情緒障害児短期治療施設17カ所、児童自立支援施設57カ所などとなっている(厚生省社会・援護局、2000年12月)。
しかし、児童福祉施設での体罰(暴力、正座の強要、食事や睡眠の制限など)の実態が明らかになってきたことから、厚生省(当時)は1998年、児童福祉施設最低基準に「身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を乱用してはならない」との規定を定めた。
2000年4月の厚生省調査では、「懲戒権の乱用防止規定」を設けていない施設が7割にのぼり、これらの施設における子どもの権利擁護を図る取り組みが求められている。