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障害の有無で個人を判断するのは、人権侵害です 障害者欠格条項をなくす会 事務局長 臼井久実子さん(後編)

「障害者はおとなしくしていろ!」

 1999年に「障害者欠格条項をなくす会」を設立した当初は、欠格条項という言葉もほとんど知られていませんでした。「えっ、結核ですか?」とよく言われたものです。まずは広く欠格条項の存在を知ってもらうことが先決と、公開シンポジウムの開催や冊子発行などで積極的に外に向けて働きかけました。欠格条項の意味が一見して伝わるようにと、タイトルには特に力を入れましたね。たとえば『もうやめよう! あれもダメ、これもダメ』『欠格条項にレッドカードを!』『「できないからダメ」から、「こうすればできる」へ』という具合です。
 反応は予想以上でした。「障害者を締め出す法制度がこんなに多かったのか。知らなかった」といった反響が多く、体験者から切実な声や意見も寄せられました。「欠格条項がなくなるよう、がんばってください」という激励も受けました。一方で、「わがままを言うな。障害者が医者になるなんて危険だ」「障害があるのに運転するのは危ない。障害者はおとなしくしているのがいいんだ」などと書かれた匿名の手紙は、障害者・健常者の双方から、今も時折あります。

障害の有無ではなく、個人の適性で判断を

 私たちが欠格条項の見直しを働きかけた省庁側も、当初は欠格条項の見直しに消極的な姿勢がとても強かったんですよ。「障害者の医療職への参入は、国民の生命と安全、健康を脅かし、信頼を損なう」「障害者の運転免許取得は、道路交通の危険をもたらすから厳しく制限すべき」「“障害者の人権”と“国民の公益”とのバランスを取らなければいけない」「受け入れ態勢がない」「不可能と思われることは、欠格条項の対象とされるのもやむを得ない」などなど・・・。
 ずっと言い続けているのは、障害や病気をもたない人のなかにも、運転の適性がない人や特定の仕事に向かない人がいますよね。同じように、障害や病気がある人も一人ひとり適性は異なり、問題なく運転したり執務したりできる状況や環境づくりは可能だし、症状が重ければ一時的に運転や執務ができないこともある、ということだと思うのです。

海外では人権侵害とみなされる日本の「欠格条項」

欠格条項をなくす会が発行しているニュースレター。会員になると年6回送付される。
欠格条項をなくす会が発行しているニュースレター。会員になると年6回送付される。

「欠格条項をなくす会」では、他の団体と協力して、海外にも欠格条項のようなものがあるのかどうかを調査しました。すると、海外ではさまざまな資格免許について「個人の状況、その時・その場合による」という姿勢が基本にあり、「この基本を貫かなければ人権を侵すことになる」という社会的なコンセンサスができていることがわかりました。排除しないだけでなく、必要な配慮や支援をして初めて公正平等な扱いになるという考え方を、たとえばアメリカの障害者差別禁止法のように法制度として定着させているのです。
 一方、日本では障害や病気があれば「将来の危険のおそれがある」という漠然とした理由で、免許交付そのものが左右されます。これでは「不可侵の権利をもつ個人を尊重する」という人権意識が確立しているとは、とても言えないのではないでしょうか。海外の調査をして、日本は差別が当然のこととしてまかり通っている国なのだと改めて感じました。

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