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主演女優 忍足亜希子(おしだりあきこ) オーディションで、約30人のなかから選ばれた。演技は、未経験。不安はあったが、両親や友人に励まされながら大役を務めあげた。撮影中に悔しかったのは、「泣くシーンで、なかなか泣けなかった時」。悲しかったことを思い出せば泣けるよと監督にアドバイスされたが、気持ちをつくる難しさに途方に暮れた。逆に楽しかったのは、映画のなかで劇中劇『美女と野獣』を演じたこと。「映画と舞台の芝居の違いを経験できたのが、よかったですね」と手話で語る。母親役で始まった女優業だが、「今度はコメディタッチの恋愛ものをやりたい」と、やや照れながら言う。憧れの女優はメグ・ライアン。 幼い頃、「お母さんの耳をひとつちょうだい」と泣きながらねだった少女は、「ろう者であることを誇りに思ってる。これからはテレビドラマにも出たいし、ファッションモデルもやってみたい」と目を輝かせる女性に成長した。29歳。 |