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戦後60年と人権
子ども虐待
ネットと人権
子ども虐待ー子どもの権利、子どもの人権ー

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 子どもポルノ。「そんなの、特別な嗜好をもった人たちの話だから関係ない」と思いますか?
 インターネットが多くの人にとって身近なメディアとなった今、子どもの性的虐待のうえに成り立つ子どもポルノは、実はとても簡単にアクセスできる存在なのです。
 おとなにとってはほんのささいな興味、ちらっと見るだけ・・・という行為でも、子どもたちにとっては大きな脅威につながります。そしてインターネットを楽しむ子どもたちにも子どもポルノはさまざまな形でアクセスしようとします。インターネットを誰かの人権を侵害する道具にしないために、ユーザーの私たちは何を心がければいいのでしょうか。エクパット編『インターネット上の子どもの安全ガイド』を翻訳したECPAT/ストップ子ども買春の会の宇佐美昌伸さんに、子どもポルノの現状と課題、インターネットを上手に使いこなすためのアドバイスをうかがいました。

※子どもポルノ・・・インターポールの「子どもに対する犯罪に関する専門家グループ」では、子どもの性的行動又は性器に焦点を当てて子どもの性的虐待を描写又は促進するいかなる方法でと定義することができ、印刷及び/又は聴覚素材を含むとしている。(エクパット編・インターネット上の子どもの安全ガイドより)

子どもポルノは一人ひとりの子どもへの人権侵害ですECPAT/ストップ子どもの買春の会 宇佐美昌伸さん  

低リスクのうえ安く簡単に供給できるようになった子どもポルノ

 ・・・ここ数年、インターネットが急激に発展・普及しました。その便利さがもてはやされる一方で、詐欺や誹謗中傷の道具として使われたり、プライバシーが侵害されるなど、さまざまな問題点も明らかになってきました。子どもポルノの観点からはどんな問題が指摘できますか?

 インターネットというよりも、コンピューター技術のトータルとして見たほうがいいと思います。アクセスしやすくなり、料金が安くなり、ダウンロードの速度や画像の質が向上し、カメラを始めとする機材も安価に手に入るようになりました。その結果、子どもポルノをつくる、売る、無料で提供する、そして入手する・・・すべてが安く簡単に、またリスクをあまり負わない形でできるようになったのです。これが第一の問題ですね。

 ・・・具体的にはどんな形で子どもポルノが流通しているのでしょうか。

 つくる側でいえば、自分で撮りためた写真を本にする、投稿する、あるいはマニア同士で交換するといった形でやっている人が多かったわけですが、コンピューターとインターネットがあればデジタルカメラ画像やスキャナーで取り込んだ写真を簡単に世界中に向けて提供できます。ガイドのなかでは「家内工業」という表現をしているんですが、家にいながらにして静止画像はもちろん、動画もつくれるようになったわけです。知識をもっていれば、暗号技術やセキュリティー技術を駆使して、特定の会員しかアクセスできないようなページもつくれます。
 そうやってお金儲けをしている人ももちろんいますが、他のマニアやぺドファイル(小児性愛者)といった人たちとの交流が容易になったことも大きな問題として挙げられます。30数カ国にもわたって会員が集まったケースもありました。
 これだけインターネットで画像が流通すると「何となくポルノを探していたら子どもポルノに行き当たった」という形で、これまで子どもポルノに触れることがなかった人たちが興味をそそられ、結果的に子どもポルノの消費者になっていくという事態も生じています。

 ・・・膨大な量の情報が簡単に手に入るというインターネットの特性がマイナスに働いているんですね。

 他にもインターネットの特性ということでいえば、20〜30年前の古い写真も日々、発掘されて出てきます。日本でも援助交際した相手の写真を撮って載せたりしていますが、新しいものが付け加わってどんどん興味がそそられると、今度は古いものも発掘しようということになります。

 
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