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障害者

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2000/01/22
車椅子と一体となって走る快感に魅せられて





車椅子の生活になったのは、17歳からです。高校2年の時、友達と遊びに出かけた先で交通事故に遭いました。それで脊髄を損傷したんです。「17歳でそんなことになって、すごくショックだったでしょう?」ってよく聞かれるんですけど、この状態を受け入れるのにそれほど時間はかかりませんでした。なぜかというと、入院したのが脊髄損傷の人が社会復帰するための専門病棟だったんです。周りは車椅子の人しかいなくて、私と同じような状況の人たちが、ひっきりなしに社会に出ていくための情報を交換しあっていました。そんな空気のなかで、私も「早く車椅子に乗って動けるようになりたい」という気持ちが先だっていましたね。

高校に復学するかどうかは、一年間悩みました。退学も考えたんですけど、どうしても同じ学校に復学したいと思い、先生方にも協力していただきました。当時、都立高校で車椅子の生徒を受け入れるのは、異例だったんですよ。今は少しずつ変わってきてるみたいですけど。途中で障害を持っても、復学できる場があったのはとても幸せでした。

リハビリ中に、車椅子バスケットを見て「すごいなあ」と思いました。私も何かスポーツをしたいと思っていたところに陸上のコーチと出会い、短距離を始めたんです。アイススレッジは、たまたま参加した講習会で勧められたのがきっかけでやり始めたんですけど、競技自体の歴史が浅く、選手層も薄かったので幸運にもリレハンメルのパラリンピックに出場できました。

高校を卒業してからは、一人暮らしです。実家にいると、親に甘えてしまうので。東京都の職員として働きながら、仕事が終わった後にトレーニングをします。帰宅するのが10時頃で、軽い食事をとったりしていると、寝るのは12時くらいになりますね。確かに忙しいけど、日々の練習がつらいとか大変だとかは思いません。やはり記録が伸びない時がつらいです。

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