|
 |

足でマウスを操作する講師、岡本敏巳さん(52歳)も、実はセミナー一期生。中学1年生の時にポリオに感染、上肢弛緩性マヒにより両手がまったく動かなくなった。足で日常生活に必要なさまざまな作業をすることを覚え、印刷業を営む作業所で働くなど、もともと自立した生活は送っていたが、パソコンに出会って世界が一変したという。「ええおもちゃ見つけたなーという感じですわ」と笑うが、今は作業所を辞め、プロップ・ステーションの専属スタッフに。週に3回、パソコンセミナーの講師をし、ネットワークのコーディネートや名簿管理なども担当している。セミナーではホームページのつくり方を教えながら、「僕、色彩のセンスないから、僕のマネはしないように」と受講生たちを笑わせる。「難しいことは知らんから」ともいうが、だからこそ教え方は丁寧でわかりやすい。
「ここでは、障害を持つ人が持たない人に教えるのもごく自然な光景です」と常務理事の鈴木重昭さん。数多くの受講生をもつ岡本さんをフォローするのは、通信関連企業の技術者や大学教授。ボランティアとして参加している彼らは、「自分が持っている技術が生きることが嬉しい」と話す。障害をもつ人が働く意欲を刺激され、技術をもつ人はそれが生かされる喜びを実感する場なのだ。
今、障害をもっていなくても、誰もが必ず年を取るし、病気や事故と無縁でいられる保証もない。「支える側」と「支えられる側」が、状況や場面によって入れ替わり、支えることも支えられることも素直に喜び、楽しめる社会。プロップ・ステーションが目指すものは、決してきれいごとではなく、それほど難しいことでもない。ものの見方や意識を少し変えてみるだけで、自分の世界は簡単に変えられるのだということを、プロップ・ステーションの活動は示している。
 |
 |
 |
 |
 |
 |
- プロップ・ステーション
- 神戸ネットワークセンター
〒658-0032
神戸市東灘区向洋町6ー9(六甲アイランド)
神戸ファッションマート6E−13
TEL:078−845−2263/FAX:078−845−2918
大阪事務所
〒530-0033
大阪市北区池田町1ー75ー607
TEL:06−6881−0041/FAX:06−6881−3866
- ホームページ:http://www.prop.or.jp
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
|
このページの一番上へ
|